0艦隊の少女

バブみ道日丿宮組

お題:マイナーな艦隊 制限時間:15分

0艦隊の少女

 0艦隊というのが存在する。

 いわゆるマイナーというか一般人には存在してないと認識してる艦隊である。

 何せ人間が海上で何と戦ってるのかをニュースで報道はするものの相手がなんだかわからないのだ。そして一方的に排除してくるが、死者は戦いを挑んだ艦隊でしか発生せず。領土のように奪った島国からは人が別の場所に強制的に移転させられ、元の国に戻せなくなってるのが現状だ。

 国はそのため減少した。

 国と国が生き残るためにくっついてる状況が今の世界情勢。

 0艦隊には敵というものは存在せず、味方も当然のごとく存在しない。孤高の存在だ。

 なぜならば、彼らの前には艦隊はおろか人一人として残らない。目撃者がいなくなるという異例の事態だけが引き起こされる。

 そのため一般人にはいわゆる危険分子、UMAのような扱いを受けてる。

 そんな0艦隊の総司令は、

「世界の脅威にならない限り、人間は1つにはならない」

 小さな女の子。

 彼女の側には空を飛ぶ丸い円盤たち。

『島の確保を成功しました』

「じゃぁ動物たちを開放してあげて」

『了解しました』

 静かな機械音がすると、

『防衛システムも完備しました。人間は手をだすことはできず入り口にしか戻れない迷路に入ることになります』

「上出来ね」

 彼女は笑う。

「もともとは少なかったのだから均等分配すべきよね」

「君に力を与えたのは間違いではなかったようだ」

 そういって彼女のいる司令室に入ってきたのは、青年だった。ただ肌の色は緑、瞳は白。地球人ではなかった。

「あなたの星と同じようにするわけにはいかないもの。それに……」

 と彼女は宙をなぞりコンソールを出現させ、とあるデータを青年に見せる。

「あなたがやってきた失敗の数々を見てれば、滅びるのもわけがないわ」

「痛いところをついてくるね?」

「今日はまだあなたから愛をもらってないもの」

 駄々をこねた彼女は、立ち上がると青年に抱きつく。

「はは、そろそろ安定期に入るのだから君も落ち着いて、君の作戦通りに機械を制御すればいい」

「そうはいっても、人間も愚かじゃない。成長し続けるものよ」

 青年は彼女の頭と、お腹を優しく撫でた。

「そして新しい時代にするためにも私たちの子どもがまずその一歩を示さなきゃね」


 二人は笑いながら、頭上に展開した遠くなるような作戦概要書を眺めた。

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0艦隊の少女 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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