救済が必要なのは

バブみ道日丿宮組

お題:100の天使 制限時間:15分

救済が必要なのは

 地球を守るのに何人の天使が必要。

 1人で世界を破壊できるのに、そんなにいるのか?

 そうーー簡単な仕事だなって思ってたら、100人の天使が地球の守護者として遣わされた。戻ることはもうできない永遠の牢獄。

 動物や植物に感謝されるが自分自信が消えることも癒やされるということはできない。楽しいという感情も怒りの感情もあるが想いを封印して、地球へと現れた。

 

 天使は天使。

 

 もちろん、そう天使たちは全員が最初は思ってた。

 だが長い年月を過ごすうちに、自分たちが力を持て余して、必要ないことを地球にすることへ退屈を感じるようになってしまった。

 それほどに地球は平和だった。

 闘争の火は天使が潰すし、犯罪もまた同じ。そんなアップダウンがない地球に身を寄せてしまえば、例え封印した感情であっても、ヒビが発生する。

 

 だからこそ……だからこそ、天使は徐々に数を減らした。

 

 自分では死ねない。自分では楽しめない。自分は一体何なのだろうか。100人もいるのだから1人くらい天使をやらなくていいのではないか。

 地球は平和じゃなくてもいいじゃないか。誰かが救済する。

『なんだ……堕ちればいいんだ』

 1人の天使が堕天使になったのがきっかけとなり、地球のバランスは崩れた。

 堕天使であっても天使の力を使える。つまり、破壊の力は同じ。争えばそれだけ地球に被害がでる。クレーターがいくつも大地に刻まれ、その都度天使たちが癒やしの力である程度直す毎日が訪れるようになってしまった。

 堕ちた者が1人であればよかったのに、戦闘を行えば行うほど天使が堕ちる。

 不公平だ、闘うなら楽しめそうだ。

 徐々に天使の感情がもともとの性格に変化してく。

 遣わされる時に封じてた人間の感情と同じもの。

 封印とは所詮、自分たちが命じられて封じたもの。それを解くのは簡単であった。


 そして地球は天使と堕天使が闘うための星となった。


 天使界からの援軍はこない。

 同じことが起こらないとは限らないから、傍観するしかなかった。

 終わらない戦いをーー。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

救済が必要なのは バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る