システムシスター
バブみ道日丿宮組
お題:戦争と作品 制限時間:15分
システムシスター
派閥争いなんてものに当てはまるならば、僕と妹はいい作品だったかもしれない。
いや……戦争を作品なんてものでいってしまうと歴史評論家たちが罵倒してくるかもしれない。とはいっても、もうそんな人種が残ってるとは思えない。
「……」
妹によって統治された世界では、情報はすべて管理されてる。逃げ場がない社会システム。生活に自由はあるが拒否権がないものがほとんど。
そんなもの崩壊すると昔の人は思っただろう。
だが、現実何も考えず生活し自由を持てるというのに不満はないらしい。
妹が作り出した脳内チップに否定の意見を出す政治家や、反発演説をするものはいる。そういうものはきちんと意見を出せる場所と時間を妹は用意してる。
不満があるならば、不満をきちんと名前を出して出す。そしてその対処法を述べる。その意見にある程度の総評が集まれば、妹のシステムに組み込まれてく。
それはもちろん不満だけはなく、変えてほしい部分なども含まれる。
まぁ……いうまでもなく不満が支持されることはない。例えば、誰かに押すように命じたり、薬の使用があればすぐにバレる。そして使おうとした者と使われかけた者は揃って解体処分される。
無論、言葉は悪いが未来のために身体を提供してもらうということだ。そこには拒否権はもちろんない。これが犯罪の抑止力にもなってる。
企業が過労死させるようなこともない。そうなれば上が解体され、新たに相応しい者が社内から選ばれる。能力のあるものはきちんとあがれるものだ。ちなみにどの企業で働いたとしてももらえるものに変わりはない。
上流ビジネスマンであっても、政治家であっても、コンビニエンスマンであっても価値は変わらない。相応しいと判断されてそこに配属されただけというわけで、生活に困らないためのお金、食事の交換データがもらえる。
旅行などの申請もできる。誰もが同じ値段で世界一周はできる。休日も同じだ。
「……」
そこのシステム管理者の1人が僕であり、妹であったもの。
『今何人目?』
「10001人目かな? 効果は前よりはいいよ」
「そう」
カプセルの中で羞恥心のかけらもなく全裸の妹は目を閉じる。
すると部屋中のシステムが一斉に何かの計算を始めた。
『なるほど、前より感度がいいかも』
カプセル内の水が抜かれ、完全になくなると妹が出てきた。
身長にして100cmもない幼女だ。
これで年齢は数千というのだから世も末というものだ。
「人間を止めたの後悔してるの?」
「まぁ殆どの人が幸せそうだから良かったんじゃないか。お前を除いてな」
妹の頭にバスタオルをおく。
「まだ世界のわだかまりは消えてない。それを消してすべてシステム制御にするのが夢」
人間は人間であっても、制御されるべき。
それが妹がはじめた戦争のはじまりだった。
システムシスター バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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