吸血鬼と陰陽師
バブみ道日丿宮組
お題:最弱の血 制限時間:15分
吸血鬼と陰陽師
数滴の血を混ぜるだけで人間という人種は崩壊する。
あくまで血液型が違うという理由である。同じ人間であるのに間違った血液型をいれるだけで死に至る病。最強のようで最弱。見えない狂気が血という存在だ。
「だからこそ、吸血鬼がいろんな人間の血を吸えるのはかなり優遇されてるといえる」
最強にも見えなくもない。
「先輩、吸血鬼がまるで強いみたいなことをいわないでくださいよ」
そういって後輩はわざわざ陽の光をカーテンをあけ居間に入れ込む。
「……抵抗力はあるとはいえ、紫外線が毒なのは人間も同じでしょ」
少なくとも吸血鬼を祖に持つ僕には、血というある意味で人間が持つ強い武器がきかない。釘もそうだが、伝承にある吸血鬼とは違った一族の身だ。
「そうでしたね。陰陽師の身としては封じたほうがいいのかいつも迷うところです」
巫女姿の後輩はいかにも困った風に喋る。
「この街で起きる珍事は大体僕たちの種族が解決してるから、陰陽師も大変なところだね」
妖怪の子孫たちが暴れる現世。それを取り締まるのは吸血鬼の家系の僕らと、陰陽師の後輩たち。
「ほんと不思議ですよね。吸血鬼の文献は人間を襲って血を吸う恐ろしい悪魔とありましたのに」
そういって巫女服の中からわざわざ見せびらかせるように下着をぽろりし、いつもの巻物を取り出した。
「だから、その文献のと僕らは似てないっていってるだろう」
あくまで吸血鬼であっても、翼もないし、牙もない。
ただ陽の光が弱く、傷の治りが異常にはやい。数滴の血を混ぜるだけで人間という人種は崩壊することもない。
人間が弱いのはあくまで血液型が違うという理由である。同じ人間であるのに間違った血液型をいれるだけで死に至る病。最強のようで最弱。見えない狂気が血という存在だ。
そこに耐性が僕らにはある。つまり、輸血には困らないし、献血も問題ないという。ちなみに一族の規則で献血はすることになってる。吸血鬼の血液は人間と同じなので、入れるのは問題ないらしい。
あくまでこれも同じ血液型ならば、という話だけど。
「だからこそ、吸血鬼がいろんな人間の血をもらえるのはかなり優遇されてるといえる」
「先輩、吸血鬼が強そうなこといわないでくださいよ」
そういって後輩はわざわざ陽の光をカーテンをあけ部室に入れ込む。
「……抵抗力はあるとはいえ、紫外線が毒なのは人間も同じだろうよ」
少なくとも吸血鬼を祖に持つ僕には、血というある意味で人間が持つ強い武器が聞かない。
「そうでしたね。陰陽師の身としては封じたほうがいいのか迷うところです」
巫女姿の後輩はいかにも困った風に喋る。
「部長が僕なんだからそんな権利はないでしょ。それにこの街で起きる珍事は大体僕たちの種族が解決してる」
「ほんと不思議ですよね。吸血鬼の文献は人間を襲って血を吸う恐ろしいものとあったのに」
そういって巫女服の中からちらりと下着を見せびらかせつつ、いつもの巻物を取り出した。
「だから、その文献のと僕らは似てないっていってるだろう」
あくまで吸血鬼であって、翼もないし、牙もない。
ただ陽の光が弱く、傷の治りが異常にはやい。そして腕だろうと目だろうと、なくなったものの再生もできる。
ここまでいけば、まぁ人間ではないのは確かだろう。
「実際に先輩のを身体全身で受け止めましたし、お互いの相性も良かったし問題ないのでしょう」
「問題なのは結婚まで流れで決まってしまったたことかな」
ふふと後輩は優しそうに笑う。
「出来ちゃったものはしかたのないことです。それとも先輩は私のことお嫌いですか?」
意地悪な笑みに変化した。
断ることのできない僕には文献にあるどの吸血鬼の弱点よりも効く。
「まさか。僕は君を一目惚れしたぐらいだよ」
「美味しそうだからですか?」
その言葉に後輩を下から上へと視線でなぞる。
「貧相で、栄養がなさそうーーって叩くなよ」
「それは先輩が失礼なことをいったからですよ。姉様も母様もみんな大きいのに私だけ小さいだけです」
顔を真赤にして否定する後輩は可愛い。もっとからかっていたいものだが、
「今日も君は後方支援でいいからね」
「わかってますよ。お腹の子どもに響くからですよね。まだ2ヶ月ですよ?」
2ヶ月も1年も僕には大差ない。
大事な嫁と、子どもに危害を与えるものは排除せねば。
「なんにしても吸血鬼より、妖怪のが危ないのは事実だ」
「えぇもちろんです」
そして僕らは今日も街へと繰り出す。
吸血鬼と陰陽師 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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