したぎ

バブみ道日丿宮組

お題:苦し紛れの同情 制限時間:15分

したぎ

「どうしてこうしたの?」

「どうしてかって言われたら、そうしたかったからとしか言えない」

「だからといって、やっていいことと悪いことがあるでしょ」

「即行動に移せっていったのはそっちじゃん」

「はぁ……お気に入りの下着だったのに」

「また買えばいいじゃん」

「そしたら、また汚すって?」

「それは気分次第だよ」

「どうせやるなら、下着じゃなくてわたし個人にして」

「忙しそうだし、毎回できるわけじゃないでしょ。そのぶんぱんつはどこにもいかない。最初からこの場所に入ってるし、なんなら種類がある」

「そりゃ……タンスの中に下着は入ってるものだけど、そうじゃないでしょ。了解ってのが相互に必要だと思うの」

「恋人同士、許嫁。これ以上の同意が他にある?」

「関係じゃなくて、認識の問題よ」

「わかったよ。じゃぁ、部活終わったら毎日してくれる。じゃなきゃ、他の娘を汚す」

「あなたの性欲は普通じゃないわ。そんなことわたし以外にしたら、すぐに壊れてしまう」

「そっかな?」

「そうよ。話に聞くものよりも数倍すごいわ」

「そういってもらえると、なんか嬉しい感じがする」

「褒めてはいないのよ。ある意味で同情してるの」

「なんで? 欲望があるのはいいことじゃない?」

「毎日性を求めるのは大変そうに感じてしまってね」

「そっちもいつもやってるじゃない。夜寂しいんでしょ」

「それは……」

「親たちは気づいてないかもしれないけど、こっちは夜覗いてるから知ってんだ」

「鍵を締めてるはずなのに」

「入れたときに対処してたからね。もはや鍵の意味をなしてないよ」

「それで、その……したの?」

「なにを?」

「わたしがしてるのを見て、オナニーしたのかって聞いてるの」

「うん。良かったよ。お腹の中がビクンてした」

「……そう」

「不思議だよね。同性なのに、どうして許嫁なんてものになったのか」

「もしかしてわたしのこと嫌い?」

「ううん、好きだよ。愛してるよ、心も身体も」

「なら、不思議がらないでちょうだい。今からなら、誰もこないからできるわよ」

「相手をしてもらえるってこと?」

「それ以外のなんでもないわ」

「ここはあんまり道具ないから、派手なことはできないかな」

「普通でいいの。普通に愛して」

「ありきたりもあきるものだよ?」

「そうかしら? いつだってわたしは恥ずかしい気持ちでいっぱいなのに」

「君から攻めてくれる日も待ち遠しいね。ほら、脱いで」

「えぇ、わかったわ」

「ぱんつはつけたままでね」

「本当に下着がすきなのね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

したぎ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る