詩集95 言葉ワープトラップ

仲仁へび(旧:離久)

第1話 まがりくねった木



 景観をそこなうから 邪魔だ


 そう 何度も言われた木


 それは「まがりくねった木」


 ぐねぐね うねうね ぐるぐるりん


 まがって まがって まっすぐじゃない


 他の木は 違うのに


 他の木は 真っすぐなのに


 なぜかそれだけ「まがりくねった木」


 景観をそこなうから ひっこぬいてしまえ


 皆に 皆に 言われた木


 それでもずっと そこにある


 どうしてなのか 分からない


 何でなのか 分からない


 ぐねぐね うねうね ぐるぐるりん


「まがりくねった木」は今日もある





「ストーリー」

 その浜辺には一本だけ、形がおかしい木がある。

 そこは、整然とした木の眺めが売りなのに。

 どうして、引っこ抜かないんだろう。

 誰に聞いても、首をかしげているよ。


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