第3話 平民演説



「ねぇ、みんな!」


 疑問を持って


 おかしいと感じて


 当たり前を受け入れないで


 皆の言う事をうのみにしないで


 少ない意見は正しくないの?


 一人の意見は受け入れられないの?


 貴方が考えた事は


 貴方が抱いた感情は


 そんなものでつぶされていいわけがない


「本当に勇者様達だけに戦わせていいの?」


 訴えかける


 呼びかける


 本当に


 このまま?


 これが普通?


 常識


 背負わせないで


 厳しい所を


 厳しい場所にいる人に


 せめて 小さなことだけでも


 あの人の背中を教えてあげて


 せめて一秒だっていいから


 あの人の背中を守ってあげて


「私達も一緒に戦うべきだよ!」


 ちっぽけな私が出来る事


 それは希望を運ぶ事


 それは希望をつなぐ事


「気力が尽きそうな足を叱咤して」


「怖気づきそうな心を奮い立たせる」


「視線をそらしていたなら、目を向けて」


「耳をみふさいでいたなら、その手をどけてみて」


 どれだけ無関係に生きていたとしても


 この世界は一つの陸地でつながっているから


 今まで 見えない場所で助け合ってたんだよ


 恩を変えそう


 気持ちをかえそう


 つながりを保とう


「私達はその方法を本当に知らない?」


「少しも 知らないままなの?」


 ただ一人の人間でもある


 孤独だと思って戦っている


 優しくて 強い


 そんな勇者様を 助けてあげて


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