第2話 大きな塔の少女と鳥になった少年



 大きな塔に登ってみたら

 意外と世界は広いんだって


「わたしきずいたの」


「せかイってすごい!」


 広いお空を飛んでみたら

 意外と世界はでかいんだって


「わたしきがついたの」


「世界ってすごい!」


 どうして今まで知ろうなんて

 しなかったのかな 不思議だな


「私気付いたの!」


「世界は広くてすごくて、私がちっぽけな事」


――そうだね 鳥になった僕達は


――けっこう自由に 知れててさ


――とてもこの空は ここちよい


――なれてよかったよ この体に


「生きていた頃では味わえない」


「今の僕らは 幸福というものを知っているんだ」


「悲しまないで 大丈夫」


「死が必ず悲劇に結び付くと それを誰が決めたんだい」




「ストーリー」

 その塔は、少年の命をつかって建てられた。

 世界の大きさを知らない人々のために。

 小さな世界から出ようとしない人々の為に。

 けれど、本当はそれは仲良しの女の子のためだけの行動。

 それは少女しか知らない事。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る