キミとセカイのツヅリゴト
十五
第1話 プロローグ
むかしむかしのおはなし。
大いなるお父様は、ひとりぼっちでした。
何もない世界で、お父様はひとりぼっちでした。
お父様は考えました。
何もないこの世界はなんて寂しいのだろう。
私はこのままずっとひとりぼっちなのだろうか。
そして、お父様は思いつきました
何もないのなら、新しく創ればいいのだと。
お父様は、まず世界の基礎を創りました。
世界を構築するあらゆる要素と決まりを。
次に、世界の入れ物を創りました。
それは真っ暗で光の無い、どこまでも続くものでした。
お父様はそれを、宇宙と名付けました。
その次に、お父様は光の子どもを創りました。
宇宙に解き放たれた子どもたちは、自由に走りまわりました。
お父様はそれを星と名付けました。
そして、お父様はある星に、そっと息を吹きかけました。
それは命の息吹でした。
息吹を浴びたその星には、沢山の命が産まれました。
お父様はその星を地球と名付け、命が栄えるように、涙を一粒落としました。
涙は地球に広がりました。
こうして誕生した世界を、お父様は愛しました。
しかし、お父様はまだ考えます。
この世界は素晴らしい。
だが、このままでは少々寂しい。
この世界には、兄弟を与えよう。
お父様はもう一度、世界の基礎を創りました。
それは、先に創ったものとは違うものでした。
お父様はその基礎を、大きな樹の形に創り上げました。
お父様はそれを「世界樹」と名付けました。
そして、樹を中心に様々な「部屋」を創りました。
「部屋」は樹に繋がれ、情報を共有しました。
お父様は「部屋」の住人として、「少女」を創りました。
ある「少女」は、積み木遊びが好きでした。
ある「少女」は、骨の魅力にとりつかれました。
ある「少女」は、夜に身体を蝕まれました。
最後にお父様は、先に創った世界から、管理人を一人決めました。
その管理人は「世界樹」に抱かれ、「少女」を見守ることになりました。
お父様は先の世界を「表」、後の世界を「裏」とし、二つの世界を隣り合わせました。
こうして、世界とセカイは双子になりました。
おしまい。
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