雪ウサギ

勝利だギューちゃん

第1話

私は、ウサギ。

ウサギと言っても、動くことはできない。


人の手により雪で作られた、いわゆる雪ウサギ。

私は、今おぼんの上にいる。


ここの家族と思われる人が、私を作った。


「これが、雪ウサギだよ」

「パパ。すごい」

「パパは雪国育ちだから、毎日作ったよ」

「すごい」


雪ウサギ。

誰が最初に作ったのだろう?


私は知らないし、知る由もない。


これまで、どれだけ多くの雪ウサギが生まれ、

そして、消えて行ったのだろう?


私もそう遠くないうちに、溶けてなくなる。


その日の夜。

ここの子供が、私を外にだしてくれた。


子供なりの気遣いなのか、ありがたい。


さてと・・・

もう、時間かな・・・


『そろそろ、参ろうか?』

『あなたは?』

『わしは、神様じゃ』

『神様が何用で?』

『実は、月で餅をつくウサギの数が足りなくての、お主に手伝ってほしいんじゃ』

『私は、雪ウサギですよ』

『月のウサギは、みんなそうじゃよ』


私は、神様から魂を与えられた。

そして、月へと向かう。


そして、多くの仲間に迎えられる。


忙しくなりそうだ。


中央には、大きなウサギの像があった。

となりには、クマとキツネもいる。


『お主も受け継いでおくれ』

『いつまでですか?』


答えは後で、見つけよう。

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雪ウサギ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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