ユメカナッ！！本編

第58話みらい始動

沖田さん、サイリスさん、そしてらいとの超攻撃により風雅軍は主の風雅を除き全て大破してしまった。

「凄い…皆凄いよ…。」

僕が呟くとサイリスさん！沖田さん！そしてらいとはこちらを見て親指を立てる！

僕もそれに返すと怪物と化した風雅を見据える。

するとダンさんは防壁を変化させていく！

「土竜爆撃（どりゅうばくげき）！！」

土壁から炎を纏った土の槍が無数に飛び出し風雅に向け飛んでいく！！

風雅の触手は破壊されるとまたうねうねとその身体を形成する！

「くそっ！これはキリが無いな。」

「ダンさん！僕もやるよ！」

僕はある武器を手にする！

「ん？みらい君？それは？」

「これはね…僕のパワーアップさせた武器だよ？」

僕は自慢の杖をクルクルと回しスチャッと構える！！

「たあああっっ！！」

僕に猛然と襲いかかってくる触手達！！

次々と僕は飛び退きかわし風雅の元へ走っていく！！

「いくよ！！生活魔法！！スライス『料理包丁！！』」

僕の杖から巨大な料理包丁が具現化していく！！！

「たあああっっ！！！」

サクサクサクサクーーーっっ！！！

巨大な料理包丁は高速の動きを見せる！！

すると刻まれた触手達がボトボトと地面に落ちていく。

「な！なにっっっ！！！？？？」

ダンさんが驚きの声をあげる。

「みら…益々強くなったじゃねぇか…。」

「そうね…らいとさんのいない間私と一緒にフレアース様の元で修行してたしね？」

「サイリス…そうなのか？」

「ええ…一人でギルドの仕事もこなしながら彼は彼なりに努力していたわ…それがこんなにも強くなってるなんて。」

「そうだなサイリス…俺もまだまだ負けてられねぇな…。」

「私も……。」

◇

◇

「さぁ…風雅！僕にはその触手も効かないよ！どうする？」

僕の声に触手を更に生やす風雅…それはもはや人の姿からは程遠いモンスターと変化していた。

「みらい君！君の武器は進化したと先程言っていたが…」

「そうだよダンさん！僕の創造力で無限に敵にあった攻撃が出来る僕の唯一無二の武器『夢幻（むげん）』そしてこいつにフレアース様から火の加護をもらい加えたんだ…。」

僕の背中に羽根が生える！！

そして飛び上がると空で留まる。

風雅もこちらをじっと見ているようだ！

「なにっ！？みらい君まで空を！？」

ダンさんの声は空高く飛び空でとどまっている僕の耳にも届く。

「へへ…飛べるのらいとだけじゃないんだよ。」

そう言った僕はバサッバサッと羽ばたいている。

「こんな…か…彼も……凄すぎるぞ。」

「そうね…空まで飛べる人間なんて羽を生やした獣人か飛翼属モンスターくらいだもの。」

沖田さんも飛鳥さんも僕を見て驚いてるようだ。

すると突然風雅は先程よりも激しく苦しみ出す！！

「ぐがっ！！ぐああああああっ！！！」

風雅の身体、背中にあたる部分がボコボコと異形化していく！！

「な！なんだ！？何が起ころうとしてる！？」

「分からない…ダンさんも気をつけて！」

僕達の目の前で更に激しく風雅の身体は変化していくとやがてそれは収まっていく。

そして僕達の目に映ったものは背中より悪魔の羽根を生やした風雅の姿だった。

「なんだと！？風雅まで！？みらい君！気をつけろ！！」

ダンさんのその声が聞こえたと同時に飛び上がる風雅の身体が！！？？

あまりにも巨大なその姿での飛行に僕も一瞬驚く！！

そして僕に巨大な腕による攻撃が迫る！！

ドガガガンッッ！！！！！

巨大でパワー重視の攻撃かと思う所だがその攻撃に風が加わり高速も備えた技に僕は防ぐので精一杯だった！！

僕の身体は風雅の拳の超攻撃により吹き飛ばされ飛ばされる！！

僕は飛ばされたまま技を放つ！！

「生活魔法！！『ビックトランポリン！！』」

ボヨンボヨンっと僕の身体は作り出した衝撃吸収クッションに包まれダメージを何とか抑える。

「ふぅ…危なかった！」

僕は飛び降り地に足をつける。

すると風雅は空中に留まっている。

「ん？なんだあれは！？」

僕が風雅を見ていると風雅の身体に凄まじい力を秘めた魔力を集めていたのだった。

「みら！？あれはマジでヤバそうだ…。」

「らいとさん！？あれって今までの風雅とはまるで違う何かの力が宿ったような…私、そう…感じてます。」

「ああ…まるで……本当の虎の魔人としての力…の様な…。」

らいともサイリスさんも…そしてこの僕も今の風雅の何かしらこれまでとは違う力を感じていたんだ…。

すると風雅は空中で咆哮をあげる！！

「ぐあああああああああああっっ！！？？」

そして巨大な竜巻が風雅の目の前に発生する！

竜巻は徐々に大きくなっていく！

その大きさと風により辺りの有機物は竜巻に引き寄せられていく！！

「こ…これは！？」

「ヤバい！！皆今すぐここから逃げて！！」

僕の叫ぶ！！だが既に遅し…風雅の最大最高の技が発動されようとしていたのだ。

「これはマズイ！！身体が引き寄せられて…」

僕の身体も風雅の竜巻に引き寄せられていく力を感じる。

身をもってひしひしと風雅の技の恐ろしさが伝わってくる。

そう…この技は想像だけど…きっと竜巻に全てを吸い込ませ破壊するであろう凶悪な技。

そう思った瞬間！！

「虎魔人奥義…『虎視眈々（こしたんたん）』」

◇

◇

◇

虎の魔人風雅の最強最大の奥義発動…。

みらい達に希望は見えるのか！？

お読み下さりありがとうございました！