エッセイなら任せろ!② 〜母乳育児舐めてました〜
宇部 松清
第1話 色々舐めてました
やはりエッセイ職人としましては、記念すべきエッセイ部門が新設されたカクヨムコン短編部門に一作しか出してないのもどうかと思い、慌ててもう一作書いてみました。
宇部松清、二児の母、アラフォーでございます。
タイトルにもあります通り、こちらは母乳育児に関するエッセイとなっております。
アラフォーのパイオツ事情になんざ興味はねぇ、という方もいるかと思います。安心してください、当時はまだ(ギリギリ)アラサーです。
だとしても、大して変わらねぇよ、と思う方もいるでしょう。安心してください。脳内で北川景子さんに変換すれば良いのです。何のための想像力ですか。ここで使わずしていつ使うのですか。無理に北川景子さんにしろとは言いません。上戸彩ちゃんでも大丈夫です(※どちらにも似ていません)。任意でお好きな人に変換してください。
というわけで、ここまで読んじゃったしな、という方はぜひこのままお付き合いいただければと思います。
特に、これから出産される方はその心構えとして。
そしてその旦那様は、「母乳ならミルク代も浮くし、いつでもどこでも飲ませられるから楽だよな」なんてババァの腹よりたるみまくった思考を改めていただくためにも!
また、単純にアラサー(当時は)のパイオツ事情が気になる、創作に使えるかも(使えねぇよ)、という方もぜひぜひ。
私がこのエッセイを通じて皆さんにお伝えしたいことは、主にこれ。
良いか、母乳が楽だとか二度と言うんじゃねぇ。かといって、ミルクは愛情がないとか口が裂けても言うんじゃねぇぞ。
です。
まずそもそもですね、ミルクなんて愛情が云々とか、どの口が言ってんだ貴様、って話なんですよ。はっ倒すぞ。メーカーの努力の結晶じゃボケが! 飲ませる側の愛情+メーカーの愛情のダブルパンチだわ! むしろね、ミルクの方が手間だから! 当時はあの液体のミルクなんてありませんでしたからね?
湯を沸かす
哺乳瓶(消毒済み)にミルクを入れる
お湯で溶かす
人肌になるまでひたすら冷ます
飲ませる
げっぷさせる
寝かせる
哺乳瓶を洗う
次に使う時のために消毒する
寝る
わかります? この工程の多さ!
お湯はね? そりゃあポットを使えば多少短縮出来ますよ?
だけどね、それでも70℃とかの設定だから!
アンタ70℃の飲み物一気に飲める? 空腹に任せて一気に飲めるかって聞いてんだよこっちは。無理でしょ? しかも赤子よ?
そんで飲んだらおしまいじゃねぇんだわ。げっぷなんだわ。これもな、そう簡単に出るもんじゃねぇんだわ。コーラ飲ませてんじゃねぇんだから、そう簡単に出ねぇんだわ。
そんでその後すぐ寝ると思うじゃん? 寝ない子もいるんだわ。ここからまた寝かしつけなんだわ。
そんで子どもが寝た後も親は寝らんねぇんだわ。哺乳瓶洗うんだわ。洗うだけじゃ駄目なんだわ。消毒必須なんだわ。
と、つい当時を思い出して喧嘩腰になってしまいましたけれども、個人的には母乳育児でも完全ミルク育児でももちろん混合でも何でも良いと思っています。
ただ、やはり、母乳の方がなんか赤ちゃんには良い気がするし、哺乳瓶と違って煮沸消毒もしなくて良い。そしていつでもどこでもさっと飲ませられて経済的、というのはあるかと思います。
かくいう私もですね、母乳で頑張ろうって思った理由もそこなんですよ。
サッと出して飲ませられる。
温度調節必要なし。
煮沸消毒しなくて良い(したらこっちが死ぬ)。
あと痩せる。
だけど皆さん、良いですか。
よく考えてみてください。
煮沸消毒は流石に無理ですけど、赤ちゃんが咥えるわけですから、そりゃあ清潔にしないといけませんし、本当にいつでもどこでも飲ませられると思いますか? 満員電車の中でぽろりと出せますか? よし、飲め! というタイミングで我が子が満足するほどの量が出ると思いますか?
これは、そこまで頭が回らなかった、というか、やってみるまでわからなかった当時の私の話を混じえつつ、ふつふつと湧きが上がってくる怒りをぶちまける、ほぼほぼ喧嘩腰エッセイです。
あともう先に書いちゃいますけど、痩せませんでした。
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