26 2回目の朝

 俺は今夢を見ている。真っ白の何も無い空間に居る。

 なんだここは見たことない部屋だ。夢にしたっては何もなさすぎるだろ。

 そしていきなり目の前に変なお爺さんが現れた。

 俺に話しかけてきた。


「さて、仙道当潜君いきなりだが儂は神だ」


「………………」


「おいおいびっくりするのはいいが黙ってたらわからないじゃないか」


「……いえあまりにも呆れて」


「つまりお主儂を疑っておるということか?」


「だっていきなり儂は神だとか頭がおかしい人なんじゃないかと思いますよ」


「まあそうかもなでも儂は本当に神様じゃよ」


 と言って自性神は手からリンゴを生み出した。


「どうじゃこれで信じる気にはなったか?」


「そんなの手品でもできるし……」


「まーだ信じないのか……まあいい儂は伝えたいことがあってお主に会いに来たのじゃ」


「伝えたいこと?」


「お主が今やってるVRMMOゲームWBG(ワールドブレストゲーム)はな本当はゲームじゃないんじゃ」


「つまりどういうことですか?」


「あれはな異世界ワールドブレストに行くための転移装置じゃな簡単に言うと、行くと言っても正確には精神だけを仮の憑代に乗り移させているんだがな」


「どうりで見たことないゲームが家にあると思った……あんたが作ったのか?」


「ゲーム状の転移装置を作るのは結構手間がかかったんだよそれでも君を異世界に連れて行くためには必要な作業だった」


「俺をなんのためにあの異世界に連れて行ったんだよ?」


「目的は特にないわけでもないがあるわけでもない」


「はあ?」


「といってもお主にはかなり強くなってもらわないとなそうしないと世界は救えないぞ」


「結局世界を救うために動かされるのか……俺は勇者なんかしないぞ」


「勇者もしくは英雄とはいつの間にかそう呼ばれている存在なのだよお主の意思によらずね」


 そう言って神は姿を変えた俺よりも小さい男の子になった。


「どうかな神様だからこんなこともできるんだよ自由自在に姿形を変えれるんだ……これで信じてくれたかな」


「最初にそれを見せろよ」


「うっかり忘れていたんだよ神が形を変えれることを」


「なんじゃそりゃ……」


「まあある程度のことを伝えたから後は君次第だよあの世界で何をしようが君の自由だ、でもいつか君には大いなる使命がのしかかるだろうけどね、それじゃあまたいつか会おう」


 そう言って神がどこかに居なくなる。そして真っ白の空間は急になくなり俺は目を覚ましていた。

 朝だなんだが変な夢を見た……夢なのかいや違う。夢だと片付けてはいけないような気がする。俺はすぐに朝の支度をして朝ごはんを食べて学校に行った。

 放課後まで俺は終始ぼーとしてた。

 そして授業が終わると即行で帰宅し、俺はベッドに横たわる。そしてダイビングメガネのセットが終わる。ワールド・ブレストの世界に俺は行く。そして当潜は確かな異世界に 意識が飛んだのであった。






「ここは……グリフェンの町か……ミヤとマホは……」


「当潜……また急に現れたな……びっくりしたぞ」


「本当に急に現れたですー驚きです」


「お前たちはダンジョンのそばにいたよななんで町に?」


「当潜が帰ってこないから飯でも食べに行こうと思ってな」


「お腹ペコペコですー!」


「そうだったのか……悪いことをしたな俺はどのくらいの間居なくなっていた?」


「一時間ぐらいですかね」


「そんなに居なくなってたのか……いつもは数分なんだろ」


「はいそうですねいつもは数分で戻ってくるというのに今度はどうしてこんなにかかっているんですか!?」


 そう言ってミヤが俺の胸ぐらを掴んでくる。相当怒っているようだ。


「わわわわわ、ミヤさんそんなに怒らなくてもちゃんと戻ってきたんですから許してあげましょうよ」


「それもそうだな頭に血が昇っていた」


 そう言ってミヤが俺の胸ぐらから手を放す。そしてこう切り出した。


「当潜……ちゃんとわけを話してくれませんか……急に居なくなることも含めて」


「ああわかってるそれじゃあ飯でも食べながら話そうか」


「やっとご飯食べれますー!」


 そして俺たちはご飯を食べながら思い思いの話をした。俺が異世界人であること。

 この世界をゲームだと思っていたことも。含めて全部話した。

 それでかなり納得してもらった。ミヤもマホもそして俺も。


「そういうことだったのですか神様に夢の中で会って理由を話してもらったのですか」


「つまりやっぱり当潜は勇者様なのですね!」


「いやまだ俺が勇者だと決まったわけでは……」


「それでも私の中では当潜は勇者様です!」


「マホはこんな状態だし困ったものだな……当潜がなんであれ異世界からやってきたとはいえ私の中では別にお前のことは何も変わってないけどな」


「それってどういう……」


「さあな」


 そう言ってなんかはぐらかされた。そして飯も食べ終わり、今日はもう遅いので宿に泊まることにした。明日は準備をしてまたレベル上げも兼ねてダンジョンに潜ることにした。

 今日は色々あったなミヤにもマホにも訳を話してなんだか心が軽くなった。

 そして異世界での夜が更ける。明日も早いから早く寝るとするか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る