13
俺たちはまずはじまりの町から西に十キロの未開のダンジョンに向けて先を急いでいた。
残り四キロの道のりらしいのだが、一向に到着地点が見えない。
と少し会話が無いことに気付く。二人で一緒にいるのに何故か会話が無い。
なので気分展開も兼ねてミヤに話かけることにした。
「ミヤ……なんだか暇だな……モンスターも出ないし」
「あっ……はいそうですね……さっきから一向にモンスター出ませんね」
「目的地にもなかなかつかないし、どうなってるんだろうな」
「別に目的地は逃げたりはしませんよ……ただ時間がかかってるだけですよ」
「そうなのかな」
またしても沈黙の時が流れる。このままだと気まずい。早くモンスターでもなんでもいいから出てくれば気の紛らわしになるのにこういう時に限って出てこない。
そして歩いているんだが、二時間は歩いていた。まだ到着地点が見えない。
確か未踏のダンジョンの近くにレイネクスという町もあるはずなのに一向に見えない目的地が。なんだが様子がおかしい。いくらなんでも二時間歩いてあと四キロの道のりで到着しないのはおかしいだろ。俺はおもわず辺りを見渡した。特に不審な点は無い。
いや何かあるはず。すると景色が少し歪んでいるのがわかった。俺は何かあるとその歪んだ景色に向けて剣を振った。パキンッと音が鳴り、景色が本来のものに戻った。
そして辺りを見渡すとモンスターに取り囲まれていた。
幻術使いだ小さい小人のような容姿をしている。
こいつらの仕業で同じところをぐるぐる回っていたようだ。
とにかくこいつらを倒そう。俺は連続斬りを仕掛ける。
幻術使いもただでやられるようではないようだ。
幻術魔法を使ってくる。奴がどこにいるかわからなくなった。
とりあえず精神を集中する。すると微かだが敵の場所がわかったような気がする。
俺はその方向に向かって斬りかかる。
ぐあーという声がしたどうやら幻術を打ち破ったようだ。
他の奴らも倒すことに。幻術もいつの間にか打ち破っていた。
そうして幻術使いを全員倒した。これでようやく旅を続けられる。
俺たちは西を目指した。そしてついにレイネクスという町についた。
どうやらアザンヘイムより都会のようだ。中央広場は活気に満ちていて、様々な屋台が並んでいる。まるでお祭り騒ぎのようだ。とりあえず俺たちは情報収集をすることにした。
「あの、すいませんこの近くにあるらしいダンジョンのことについて聞きたいんですけど」
「ダンジョン?まさかあの恐ろしい魔物の巣に行こうとしているのか?やめとけ!命がいくつあっても知らんぞ」
どうやら現地の人はあそこを恐ろしい場所だとしか思ってないらしい、まあ実際そうかもしれない。
他の人にも聞いてみることにした。
「ダンジョンか……あそこは凶悪なモンスターが出るらしいぞ、でもそれに見合った財宝が眠ってるらしいとの噂もあるがな」
なるほどそれに見合った財宝もあるのか……少しばかり期待してもいいのかな。
そうして俺たちはダンジョンに挑戦することにした。
ここからどうもちょっと行ったとこにあるらしいのだが……あったここか。
いつも通りに立て看板がある。
ディアラブル領:暴れ者のダンジョン
推奨レベル:10
説明:暴れ者が現れるダンジョンがここだ。しかも毒持ちのモンスターもいるので血清がないと危険だよ。ニ十階層あるからいつもより長いよ。
どうも難易度が跳ね上がっているような気がする。しかしここで臆するものか。
とにかく進むあるのみ。
俺たちはダンジョンに入ることにした。待ち受けているものは何か……慎重に行こうかな少し。
薄暗いと思ったら意外と明るい。どうも光ゴケが自生しているようだ。こんな何もなさそうなところでも必死に生きているんだなと感じさせられる。
このまま何も出ないで進みたいと思うがそうもいかないか。
ブルータルモンキーが現れた。体長は一メートルぐらい。腕が異常に発達しているようで丸太の様に太い。足は逆に短い。体毛は茶色で生い茂ってる。
そんな初めて見るモンスターが二体現れた。レベルは10か強いな。
まず俺は六連連続斬りを仕掛けることにした。ただ普通に仕掛けてもかわされる可能性もあるのでまず普通に攻撃するふりをしてフェイントをかけることに。
攻撃するふりは意外と難しいが寸止めと書くとなんか簡単そうだ。
そして俺は寸止めからの六連連続斬りを仕掛けた。成功したようだ。
ブルータルモンキーは苦しそうにのけ反った。
ミヤも負けずと攻撃だ。ブルータルモンキーに反撃の隙を与えないでいた。
そして連続で攻撃したらいつの間にか二体とも倒していた。見かけ倒しでした本当に。
とにかく先に進むことにした。
しばらく先を進んでいるとまたしてもモンスターがいちいち相手してられないので。
たまには逃げることにした。
「ミヤ!逃げるぞ!」
「えっ!逃げるんですか」
ブルータルモンキーから逃げ出した。とにかく走って走って逃げる。
追いかけてこなくなったので走るのをやめることに。
しかし待ち構えていたかのようにモンスターがまた……勘弁してくれ。
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