第95話 新生【輝く月(ルミナス)】の戦い。後編。
『ク、クク……クハハハハァァァァッ! 見タカァッ! 人間ドモォォォォォッ! コレガ我ガ切リ札! 【
高く上る太陽が照らすガルデラ山の奥地。
あたり一面黒い炎が立ち昇る、まさに地獄絵図と化した戦場で、さっきまでのあせった様子がなかったことかのように、【
けれど、僕はだまされない。
依然としてその本体の矮小な
つまりこれは、まぎれもなく【
そして、僕の全力の速さなら、多少あの黒い炎に巻かれたとしても、十分に刃を届かせることができ――
ガシャ。
――そのとき、戦場に独特の金属質な足音が響いた。
「
告げると同時。その身にまとう揺らめく青い炎が、黒い炎を吹き散らしていく。
ガシャ。
一歩一歩進むたびに、黒い炎がまるで、道をゆずるかのように割れていく。
ガシャ。
――その【英雄】の道を阻まぬように。
『グ……ウウウウウウォォォォォァァァァッ! 集ェェェッ! 死霊ドモォォォォォッ!』
自らの前に立つ脅威に対抗しようと、【
「【
それに対抗して、かまえた
『死ネェェェッ! 女ァァァァッ! 【
「――
揺らめく青と黒、ふたつの炎のかたまりがぶつかりあい、そして――
『グガァァァァァァァァアッ!?』
――そこから一体の
『グ……!? ソ、ソンナ……馬鹿ナァァァァッ……!? 人間……ゴトキニィィィィッ……!? ハッ!?」
ガシャ。
地面にその骨の背中を打ちつけて倒れた【
『ウ……ウグワァァァァァァァァァァァァァァァッ!?』
自分よりも大きな、青い炎をまとう影。それに見下ろされた、いまやただの
恐怖にかられたように叫びながら、ガクガクと立ち上がり、その背を向けた。
――
「はあああああああぁぁぁっ!」
『グガァァァァァァァァァァァッッ!?』
そして、ニーベリージュの一閃が【
『ネ、ネクロディギスゥゥゥゥサガグゥゥゥゥァァァァッ!?』
――その青い炎で焼き尽くした。
主へと向けた断末魔以外、あとには骨のひとかけらすらも残さずに。
♦♦♦♦♦
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