第49話 相性。
ガルデラ山での次なるクエストは、ディシーのいる【
そして対象はさっき倒した
読んで字のごとく、体に風の刃をまとって上空から高速突進してくる魔物で、かすっただけでも皮膚を突き破って肉がズタズタに引き裂かれ、直撃すれば文字どおり体に風穴を開けられる。しかも複数で行動する極めて危険な魔物。
「穿ち、抉れ」
ただはっきりいって、動きが直線的で見え見えだ。だから、こうなる。
『キュウウウウゥッ!?』
ぶわり、と魔力を含んだ風が巻き起こり、ロココのまとう【
そして、狙いすまして用意された鋭く先端を尖らせたロココの赤い呪紋めがけて
……うん。はっきりいって相性がよすぎるね? どう考えてもロココ以外にはできない戦法だし。あんな強度のある先端が尖った細長い槍なんてどんな職人でもつくれっこないから。そもそも長すぎて支えられないし。
で、僕の場合はこうなる。
『キュウウウウゥッ!』
僕の体目がけて高速で飛来する
「【隠形】」
『キュウゥッ!?』
――衝突の間際、一瞬だけ僕の位置を【隠形】で
さて。こんなものかな。僕はロココと手分けしてあらかじめ用意しておいた丈夫な布袋に
さっき別の袋に
もちろん僕たちが
本当は自分たちで解体したほうがより高い値段で売れるんだけど、正直手間がかりすぎるから、僕はいちいちやらない。それよりは同じ時間で数を狩ったほうが効率がいいし。まあ金で時間を買ったと思えば安いものだろう。
『きゃっ!? わわわっ!?』
『おっとっと! 悪い、ディシーちゃん! 一匹そっちにやっちまったよ! 危ねえ危ねえ! 大事な体に怪我させちまうところだった!』
『ふーん。ディシーちゃんって、やっぱり近接戦はあんまり得意じゃなさそうだね? 魔法使いだしあたりまえかー』
『まあ、そのぶんオレたちがしっかり守れば心配ないって! な?』
『う、うん! ありがとう!』
……さっきからずっと最大に魔力強化した【耳】で聞いてたけど、【
「ノエル……?」
「ああ、ごめん。ロココ。ちょっといま聞いててさ。いまのところ向こうも心配ないよ。じゃあ僕たちは行こうか。次で最後だし」
とりあえずいまはこっちに専念して問題なさそうだ。次は少しだけ気をひきしめて挑まないといけないしね。
最後の相手は今回のクエスト唯一のA級魔物。
……ここできっと、僕とロココの地力とこの【
♦♦♦♦♦
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