【 コロナ専用ドクターカー 】
そして、その透明なビニールで覆われたコロナ専用ストレッチャーに載せられて、すぐさま今度は、内部を全てビニールで覆われた『コロナ専用のドクターカー』に乗せられた。
ここから、ドクターカーで高速道路を走り、急いでその重症・中等症施設の病院まで向かうと言う。
すぐにサイレンが鳴らされ、アナウンスで他の車を
――1時間ほどで、目的の病院へと到着した。
その病院の一時処置室で、再度、コロナのPCR検査をする。
しかも追加でとんでもなく長いチューブ状のようなものを鼻から喉の奥へと突っ込まれた。
そして、ここで何も飲み食い出来ていない状況を診て、点滴を投与。
同時に酸素吸入を開始。股関節辺りに何やら注射し、これが長くて地味に痛かったりする。
そんな中、ドクターカーに乗ってきた医師と、この病院の医師が引き継ぎを行いながら、何やら深刻な状況。
『
そして、この病院の医師が駆け寄ってきて、私にこう言った。
「今から、君のコロナ治療のために、厚生労働省に『レムデシビル』の薬剤配給の書類をすぐに送りたいからサインが欲しい。これは世界で供給量が決まっていて、国がこの量を管理している。重症化する前に、すぐに投与を開始したいから、ここにサインを書いて。」
「は、はい……」
私は訳も分からず、そう答えていた。
「レムデシビルと同時に、少し強いがステロイドやオルミエント、ベクルリーなど、多少の合併症や副作用が出てても、命には変えられないため、積極的な治療を私たちは進めていく。重症化の場合には、人工肺『
「は、はい……」
というか、もうそう言うしか、私には選択肢は残されていなかった。
私は意識が
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