好きになってもいいですか…?

ハル

第1話 兄 妹

あなたが…


好き♪


大好き♪




――― だけど ―――



結ばれない絆で


繋がれた糸なの



――― どうして?



――― それは ―――



あなたと


兄妹という


絆があるから







「お兄ちゃーーん、朝だよーー」



ボフッ



兄が寝ていると思われる布団の上に乗る私。




「うっ……」 


「学校、遅刻しちゃうよーー」




バッと布団を剥ぎ取り、ベッドに乗る私。



グイッとお兄ちゃんの両手を掴み引き上げ上半身を引っ張り起こす。




「私が、お目覚めのキスしてあげようか?」


「なっ!や、辞めろっ!起きるからっ!」




ベッドから降りるお兄ちゃん。


私もベッドから降りる。



「なあ、音羽(おとは)そのスカート短くねぇか?」


「えっ?そう?普通だよ」


「…世の男の目線が集中するから!」


「妬く?」


「あのな〜」




私はスカートの長さを調節していく。




「よし!それで良い!」


「ねえ、お兄ちゃん、いつから私の生徒指導になったの?」


「は?あのな〜、生徒指導って…俺は…」


「そんな事よりも、お兄ちゃん!早く準備して来てね♪遅刻しちゃうよ♪」


「えっ?あっ!」




お兄ちゃんは時計に目を向け、そんな私は、お兄ちゃんの部屋を出ていく。



私、悠木 音羽(ゆうき おとは)16歳。


その兄、悠木 痲那渡(ゆうき まなと)17歳。


1つ上だ。



私達は同じ学校に通い、学校中の一部には仲の良い兄妹だと知られ存在している。


中には恋人同士みたいなんて噂になっていて私達の事を知らない人は、そういないかもしれない。


ある意味、違う意味で有名なのかもしれない。





「ねえ、あんた達ってさ、マジで兄妹なんだよね?まるでラブラブの恋人同士みたいなんだけど」



私の親友の、奈河松 亜裕(ながまつ あゆ)。




「いや〜兄妹 = 恋人 だから、違う意味でラブラブなんだ〜♪ねえ、お兄ちゃん♪」


「音羽…言葉…選んで貰わないと誤解を招くから」


「えっ?仲良いから別に良くない?私、お兄ちゃんの事、好きだよ♪」


「いや、だから、そういう事公の場で言うのは辞めろっつってんの!」


「もう!お兄ちゃん、照れ屋さんなんだから♪」


「音羽!」



呆れつつも、お兄ちゃんも嫌な気はしていない様子も伺える。


私達、3人は騒ぎつつ学校に向かう。






「お兄ちゃん、またね〜♪」



笑顔で手を振る私。


それに小さく答えるお兄ちゃん。




「なあ!」




ビクッ


背後から声を掛けられ驚く俺。




「うわっ!ビックリした!何だよ!驚かすなよ!」


「妹に夢中で気付かなかったんだろう?痲那渡」


「おいっ!お前まで!」


「なあ、お前らって実は出来てんじゃねーの?」


「おいっ!俺達は兄妹だぞ!変な事言うなよ!」




俺の親友・砂益 凌一(さえき りょういち)。


良く家に来るから、妹の音羽も懐いている。



俺達も騒ぎながら校舎内へと入って行くのだった。













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