大人の道徳

鷹巳

第0話 「道徳」を見失う大人


皆さんは、小中学校の義務教育で学んだ、「道徳」の授業を覚えていますか?年代や教科書の違いによって学習した内容にも違いがあると思うので、一概に皆さんが同じことを考えていないかもしれません。しかし、子どもだった当時は、「道徳」の授業を通して様々な考えや発見をしたのではないでしょうか。

だが、大人になってから、「道徳」とは何かを真剣に考える機会、時間は極めて0に近いと思われます。今回は、そんな皆さんに、今一度、改めて「道徳」とは何かについて考える時間になれば幸いです。


それでは早速、「道徳」とは何かについて考えていきましょう。皆さんは、「道徳って何?」と尋ねられたとして、的確に答えることができるでしょうか?


「道徳」とは、人々が善悪を弁えて正しい判断をするための基盤となるもの。


大枠の言葉の意味は理解できたと思います。そこで、もっと視野を広げて、「道徳」を含む言葉の意味を探っていきます。


 道徳的価値とは、よりよく生きるために必要とされるものであり、人間としての在り方や生き方の礎となるもの。


 道徳性とは、人間としてよりよく生きようとする人格的特性のこと。

さらに、その道徳性は、道徳的判断力、道徳的心情、道徳的実践意欲と態度によって構成される。


道徳的判断力は、それぞれの場面において善悪を判断する能力のこと。つまり、人間として生きるために道徳的価値が大切なことを理解し、様々な状況下に おいて人間としてどのように対処することが望まれるかを判断する力である。


道徳的心情は、道徳的価値の大切さを感じ取り、善を行うことを喜び、悪を憎む感情のことであり、人間としてのよりよい生き方や善を志向する感情であるとも言える。それは、道徳的行為への動機として強く作用するものである。


道徳的実践意欲と態度は、道徳的判断力や道徳的心情によって価値があるとされた行動をとろうとする傾向性を意味する。道徳的実践意欲は、道徳的判断力や道徳的心情を基盤とし道徳的価値を実現しようとする意志の働きであり、道徳的態度は、それらに裏付けられた具体的な道徳的行為への身構えと言うことができる。


以上のように、「道徳」と一言で表しても、その言葉には、人間としてより良い生活を望み、追求し続けようとする思いが込められています。

幼い子どもたちへ、それぞれの経験だけに頼るのではなく、「道徳」という教科を通して、良し悪しや善悪のモノサシを学び、人間としての道徳的価値を高めていくことは、非常に重要なことです。

しかし、義務教育を終え、高校や大学、社会人へと成長するにつれ、その築き上げてきた「道徳」の学びを見失ってしまいます。友人や仕事、家庭と言った人間関係、社会の中で他者との比較、夢への挫折、ストレス、といった多様な影響を受け続けるからです。

そこで、ここでもう一度、「道徳」を見つめ直し、一人一人の「道徳」を強固な物にしたいのです。


さあ、始めましょう。

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