第10話 「ママ休暇」「育児予定休暇」「ペアレント休暇」「ハッピーバースディ休暇」「おしゃれなカフェ休暇」社会って、いろいろと、あるんだね。

 「若い世代は、生まれ故郷から、都会に出ていってしまう」

 「困る」

 「18歳とか19歳は、成人。大人なんだ。わしを、ここで面倒見なさい」

 束縛する人も、いるかなあ。

 きっと、さっき言った、古い考え方に縛られる人たちのこと。

 そうして、女性は、結局、都会に逃げていく。それが、今の日本になっているんじゃないの?

 女性は、介護ロボットじゃないよ?

 ああ。

 18歳も19歳も、成人扱い。

 良いことばかりじゃあ、ないんだよ?

 女性の息苦しさが、増していく。

 女性の成人化を、そんなにも進めたいのなら、女性が、安心して成人に扱ってもらえるように、してあげようよ。

 「育休」

 「産休」

 そんなの、当たり前。大切なのは、職場復帰が上手くできるよう、サポートしてあげられるかどうか、でしょ?

 工夫を重ねた会社も、多くなった。

 「ママ休暇」

 「育児予定休暇」

 「ペアレント休暇」

 「ハッピーバースディ休暇」

 「おしゃれなカフェ休暇」

 もちろん、はじめは、不評。

 「ハッピーバースディって、何?私たち社会人を、バカにしているの?」

特に、母親は、部屋で落ち込んだ。

 「部屋、か…」

 母親は、就職氷河期世代。

 今どき世代の子たちは、就職氷河期世代の人の部屋を見ると、ちょっと、驚くことがあるらしいよ?

 「うわ!お母さんの部屋、すっごい!」

 「そう?」

 「これ、ラジカセっていうんでしょ?」

 「そうよ?」

 「TV番組の、なつかし家電コーナーで、見た。え?中学生になった記念に、買ったの?え、え?どういうこと?30年以上、現役で動いているの?」

 物の価値が、違うんだよねー。

 就職氷河期世代は、家電製品が陽に当たりすぎないよう、部屋の中での置き場を調整したり、カバーをかぶせて、ホコリが入らないようにもした。

 「金があるから、新商品を買えば良い」

 母親たちは、そう思わなかった。

 こういうところは、見習おうよ。

 18歳とか19歳の子は、成人扱いされちゃうようになるけれど、何でも買えるわけじゃないって考えて、物を、丁寧に使えるようになったほうが良いよ?






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