物語の生まれるところ
「ディスコミュニケーションは不幸か?」でも書いたのですが、やはり均質なものの間ではエネルギーは生じません。
電位差があるところに電流が生まれるように、物語も異質なもの同士の接触によって生まれます。
その一方で共有できる何らかの概念なり認識なりがなければ、その異質なものを理解する手がかりを得ることができません。何かを理解するためには、それに似た概念から類推して思索を進めて行く必要があるからです。
完全なる異質どうしの単純なぶつかり合いは、残念ながら断絶と滅びしか生み出すことができません。何らかの歩み寄りを模索するならば異質な中にお互いに共有できる点を必死に見出すしかないのです。
結局は、共有できる感覚や概念の中に一点だけ異質なものを投げかけることで、共有できているものを浮き彫りにして物語を生み出すという手法が、比較的動きが出るけれどもわかりやすく共感しやすい物語を作る方法になるのでしょう。
類似とギャップ、コミュニケーションとディスコミュニケーションの対比によって物語は生まれる。
筆が止まった時はその原点に立ち返って、キャラクター達の「類似点」と「相違点」を書き出してみるのも一つの手段ですね。
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