添削のススメ

 ワタクシは完結作品もわりと頻繁に改稿します。

 というのも、やはり読み返すと言葉の選び方が甘かったり、描写がくどかったり、逆に中途半端だったりと、色々と改善点が目についてくるから。

 見栄っ張りのワタクシとしてはやはり少しでも良い形で皆様の目に触れるようにしたいので、ちまちまちまちまと機会があれば改稿しております。


 ただ、素人の哀しさでやはり自分一人で見直してみてもやはり見落としはあるわけで。

 特に気に入った作品についてはTwitterなどで添削企画をしている方や添削サービスを利用したりしています。

 やはり他人の目が入ると全く違った視点から今まで気付かなかった指摘があるもので、目から鱗が落ちるような発見が多々あります。

 極端な時には、二千字程度の文章がたった一文字変えただけでがらっと完成度があがったりするんですよね。


 添削をお願いするお相手は、当然ですが、添削する作品を募集している方から選びます。

 その中で、日ごろの発言や他の方につけているレビューなどから文章力や言葉のセンスなど、「この人との会話は勉強になりそうだ」と思う方にお願いしています。


 実際に添削を受けた例を挙げてみます。

 「卑怯で臆病な僕は血塗れの聖女を受け入れることができない」はアルファポリスで昨年八月末から九月初めにかけて一気に書き上げた作品です。

 作品としての出来についてはそこそこ自信のある作品だったのですが、あまりアルファポリスの人気作品の傾向には合わず、読者様から別のサイトへの転載を勧められました。


 どうせ転載するならしっかり改稿してもっと良いものにしたいと思っていたところ、たまたまTwitterで添削して欲しい作品を募集している方がいらっしゃったので、思い切ってお願いしてみたのです。

 こちらはアルファ版の冒頭ではヒロインの元聖女はドレス姿で登場してカテーシーで退場するのですが、なろう版ではその時にいただいた「このヒロインは自己認識が軍人であるのに、元婚約者である主人公はあくまで貴族令嬢としか思っていないところにギャップがある」というアドバイスをもとに、近代的な軍服姿で登場させて戦車隊や航空隊特有の狭所で行う窮屈な敬礼で退場させました。

 ご覧になったことのある方ならお分かりいただけると思いますが、ああいった部隊で行う肘を張らない窮屈な敬礼は見栄えよりも実戦的な迫力があります。


 最初の婚約破棄の場面でそういったお互いの立場の認識にズレがあるという描写を、くだくだしい説明ではなくヒロインの服装と仕草だけで表現できたことで、表現の密度があがったように思います。


 おかげさまで、こちらは大して宣伝しなかったにもかかわらず、なろう連載中は毎日1000PVを超え、ジャンル日間八位、月間二十一位に食い込むことができました。

 小説なるものを書き始めてから四か月あまりにもかかわらず、それなりに良いものが出来上がったのはワタクシにとっても自信につながりましたし、作中で悲惨な亡くなり方をしたキャラクターたちにとっても良かったと思います。


 そんなこんなで、添削を受ける事で、ほんの少しの手直しでも作品の質を一気に押し上げる事が可能です。

 歯に衣着せないアドバイスに従うのは少々精神的につらいものがあるかもしれませんが、よりよい創作のためには思い切って他人様の目を借りてのブラッシュアップも試してみるのも良いと思います。

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