3章 1年生 1学期編 ヒポット部始動
第60話 プロローグ
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今の季節は夏、朝も夜も過ごし難い7月に入ってしまった。
7月7日「小暑」または「七夕」の日というかもしれない、これから暑い夏が始まる中「人助」を行い高校3年間で「徳」を貯めなくてはいけない為慎二は奮闘していた。
「部活」もようやく作れて依頼や相談事を解決していき、色々な人と交友関係も築けた。
だが今はそんな事はどうでもいい、この男、前田慎二にはそんな蒸し暑い夏よりも「人助」よりも、自分の事よりも、もっと、もっと深刻な事態に直面していた。
それは………
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4人で暮らす様になったがいつも通り自分の部屋で慎二は寝ていた、ここまではいい。
起きたら何者かが自分の上に乗っていた。まあ、ここまでだったら良いだろう?だがその人物と格好がアウトだった。
まず由比ヶ浜先生と笹原親子と暮らすには不純な事は一切行ってはいけないと言ったはずなのに、今慎二の両隣では慎二を興奮させる様な欲情させる為だけに出来てる様な下着姿で寝ていた。
「えっ?「こんな状況ラッキー?」……馬鹿野郎!?よく考えてみるんだ!これは罠だ!不純な事をしちゃいけないと言った、でも僕から手を出したら?勿論鋼の精神(笑)を持っている僕にかかればこんなの…こんなの……余裕なわけがあるか!?飛ぶぞ?何がとは言わないが……それに僕が何度も声をかけても起きてくれないし」
まあ、そんなバカな事を考えてしまうぐらい深刻な状況だった。
逃げたいけど2人に抱きつかれてて動けそうにない、唯一動かせるのは手だけど下手に動いたら変な場所に触れてしまい、後から何を言われるか分からない。
「こんな時こそ冷静になって仲間に助けを呼ぼう、こんな時の為に「F」クラスの皆とグループを作って全員で連絡出来る様にしといたのだよ!」
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「F」クラスのアホ達の集会所
慎二:皆起きてるか?助けてくれ!今一緒に住んでいる淫魔(女性)達に囲まれて動けない為、至急応援求む! 7:30
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「よし、これで良いでしょ、早く誰か助けに来てくれるメールくれれば良いけど」
そんな事を慎二が思っていたら、次々とメッセージが来た音が鳴った。
「流石「F」クラスの皆だな!頼りになる、どれどれ………」
慎二が見たメッセージ欄にはこんな事が表示されていた。
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「F」クラスのアホ達の集会所
慎二:皆起きてるか?助けてくれ!今一緒に住んでいる淫魔(女性)達に囲まれて動けない為、至急応援求む! 既読 7:30
宮ノ内:自慢乙w 既読 7:33
宮田:黙ってろカス 既読 7:33
後藤:朝からうるせえんだよ少しは黙ってろバカ 既読 7:34
加藤:妄想のし過ぎだろ、○ね 既読 7:35
多田:消えろ 既読 7:35
小木:ぶっ飛ばされんうちにな 既読 7:35
村上:………それが本当だったら粛正だな!この異端者め!? 既読 7:35
慎二:嘘に決まってるだろカス共、どうだ?僕のお陰で起きれただろ? 7:36
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「ね?皆カスでしょ?なんか最後らへんふざけてたヤツいるし」
その後も何度かメッセージが来た音はしていたが全部無視した。
クソッーー、面倒臭い事になるだけだったー!?いくら寝起きだからって考えなしだったよ!
起きてから一歩も動けないまま自分の行いに痙攣してると、本当の救世主が来てくれた。
「慎二さん〜もう朝ですよ〜起きないと遅刻しますよ〜!」
助けに来てくれたのは我が家の癒し担当結衣ちゃんだ!
「結衣ちゃん!助けてくれ!淫魔に襲われている!」
そう声をかけると「仕方ないなぁー」と、近寄ってきて慎二の顔面を蹴ってきた。
「痛い!?どうしてさ、結衣ちゃん?」
慎二が何故蹴ったのか問うと、聞かれた結衣は般若の様な表情を作り凄んできた。
「慎二さんが朝からイチャイチャしてるからでしょ?なんですか?見せつけて楽しいですか?それとも、今持っているお玉で股間でも叩きますか?えぇ?」
怖!?今時の小学生怖過ぎでしょ!全然癒しじゃないじゃん!
「待ってくれ!本当に起きたらこんな状況だったんだ、僕は知らないんだ、結衣ちゃんだったらわかってくれるでしょ!」
「………はぁ、わかりました、ほらお母さんと千夏さん起きなさい!そんな事をしていたら慎二さんに嫌われますよ!」
そんな簡単に嫌ったりしないけど……そんな言葉で起きるの?と思っていたけど2人とも一瞬で起きたよ……
「慎二君ごめんなさい!お願いだから私を捨てないでぇーもう離れたくないの〜」
「慎二君!私を捨てる気!?そんな事をするなら死んでやる!?」
いや、2人共朝から重いよ!?もっと朝の挨拶とかあるでしょ!
「捨てないから!ほら2人共ちゃんと起きて!もう朝だから!」
ようやく慎二の言葉で2人共起きてくれたのか、自室に戻って行った。
そんな2人の様子を見ていると、結衣に話しかけられた。
「慎二さん、もう朝ご飯出来てるのでリビングまで来て下さいね?それに今日学校行くのいつもより早いんですよね?」
「そうだった!こんな事してる場合じゃないや、早く学校に行く準備しなくちゃ!結衣ちゃんいつも朝ご飯作ってくれてありがとうね!」
家事をやってくれるの本当に助かるよね!
その言葉を結衣に伝えると、直ぐに身支度の準備をしてリビングまで走って行ってしまった。
「このぐらい何でもないのに、でも慎二さんの助けになってるなら嬉しいな!」
慎二が出て行った部屋ではそんな結衣の嬉しそうな声が聞こえた。
慎二は結衣が用意してくれた朝ご飯を食べると急いで体操着姿になり家を出た。
今日7月7日は桜田高校の体育祭の日だ、体育祭をやる絶好な日和の様に青空が広がっていた。
「慎二さーん、また後で見に行きますからね〜!」
後ろからそんな結衣の言葉が聞こえた様な気がしたが慎二は高校まで全力疾走で走って行った。
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