第55話 閑話 婚約者vs妻②
◆
その後は3人で話があると言い慎二が寝ている寝室まで行ってしまった。
その時「絶対中を見てはいけない」と言われたので1人で寂しくリビングで待つ事にした。
20分程経っただろうか?今後作る「部活」の名前を考えていた時3人はやけに仲良くなって慎二の元に戻って来て、今後の事について話し出した。
「慎二君、先程3人で今後について色々話し合ったの」
代表なのか結菜さんが伝えて来たけど、先程までのピリついた雰囲気は無くなってるから話はついたのかな?
「そうですか、それで話し合いはどうなりましたか?」
「はい、話し合った結果私達は皆慎二君に助けられていて恩返しをしたい気持ちは一緒、ならいがみ合っていないで3人で慎二君を手助けしたいと考えたわ」
まあ、それが妥当だよね……それにここで僕が断ってもまた変な事になりそうだからここは折れるべきだよね……
「わかりました…ただ……千夏さんはこの家で住み家事とかを手伝うと言っていましたが、結菜さん達は住む場所はどうするのですか?」
「その件なんだけどね、私達も住み込みでここで手伝っても良いかしら?初めから慎二君の家に住んでお手伝いしたいと思ってたってのはあるんだけど、前まで住んでいた場所も解約してしまったから……出来たら住まわせて頂きたいの、何でもするからお願いします」
「慎二さん、いきなりご迷惑だと思いますがどうかお願いします!」
そう言うと笹原親子は慎二に頭を下げて来た。
ここで「駄目です!」なんて言えないよ…僕が折れるって決めたからね……
「わかりましたから2人共頭を上げて下さい、この際1人増えようが3人増えようが問題ありません!ですが、しっかりと僕の言う事は聞いて下さいね?」
その言葉を慎二が言うと笹原親子はとても喜んでいた、千夏も慎二が断らなくて良かったと言う様にホッとしていた。
「本当に慎二君ありがとうね!家事とかは私と千夏さんに任せてもらって良いからね?」
「そうそう、慎二君はここの家主なんだからゆっくりしていて良いからね?結衣ちゃんにも出来る範囲で手伝ってもらうつもりだから、私達に家の管理は任せてね?」
「慎二さん、私も頑張りますね!」
家事とか任せるの申し訳無いけど……やりたいって言ってるなら無理に断るのもかわいそうだよね……
「皆さんお願いします、でも僕も暇な時は一緒に家事とかやりますからね?」
慎二が家事をやると言う事に何か言いたげな3人だったが家主が決めた事だからと納得してくれたのか了承してくれた。
「後ここに住むにあたって皆さんに守ってもらいたいことがあります!それが……不純な行為を行わない事です!」
「「なっ!」」
「は、はい!」
慎二が言ったのは当たり前の事だが結衣以外の2人は驚きを隠せずに声を上げていた。
やっぱり千夏さんと結菜さんは変な事を考えてたか、この家に住めるって時獲物でも狙ってる様な目を僕に向けてたからね……
「当然の事です!自分の家の様に暮らして良いですが健全な暮らしをお願いしますね?」
「慎二君、因みに何処までなら許容範囲なの?」
結菜に質問された為、ここは事前に釘を刺しておく事にした。
「誘惑行為や過度な接触、下着姿でうろつくなどはやめて欲しいです、それ以外ならまあ大丈夫です」
「「ぐぬぬっ!」」
「わ、私はしっかりと守りますよ!」
結衣ちゃんの反応が普通なのにあの2人大人気も無く悔しがってるよ……釘刺しといて良かったな。
その後も誰が何処の部屋を使うかで慎二の隣の部屋に住む権利をかけて3人がジャンケンで決める流れになっていたが、流石に子供の結衣に譲る事にしていた。
「これからは僕達は家族みたいなものです!皆色々と理由がありここに集まっていますが、助け合って楽しんで生活していきましょう!」
慎二の言葉に「わかったわ!」や「楽しんで行きましょうね!」や「シュアハウスみたいで楽しそうですね!」など各自違う事は言っているが、今後は楽しい生活が出来る予感がした。
初めは女性との生活なんて考えられないと思っていたが、今まで祖父と一緒にしか生活してこなかった慎二にはとても新鮮な出来事だった。
自分で言っといてだけど家族か……本当の家族との思い出なんて片手で数えられるぐらいだけどここからまた色々と思い出が作れれば良いな。
そんな事を1人で考えいた慎二に他の3人が話しかけて来た。
「ほら慎二君、今から家族になった記念にパーティー開くわよー!」
「明日からまた学校だけど今日ぐらいは少しは羽目外そうか!」
「パーティーですか!あまり大勢でやった事無かったので楽しみです!」
と、3人は盛り上がっていた。
「わかりました!ほら皆さん今から近くの商店街に行ってパーティーの買い物行きますよ!ただし一緒に住んでるのがバレたらあれなんで偶々商店街であった程にしましょう!」
その後は皆で商店街で必要な物を買って来たらパーティーを開きとても楽しんだ、パーティーは2時間ほど行い明日も早いと言う事で片付けも済まして皆寝る準備をしていた、そんな中自分が出来る事を済ませてしまった慎二は今日の出来事を自室で考えていた。
「同居するってなった時はどうなるか不安だったけどなんとかなるものだね、まだ1日も経ってないから何も言えないけどこれから色々と頑張るかな……」
明日からは「部活」を開始する事になっている、それ以外にもまだ色々とやらなくてはいけない事が沢山あるが、まだ先の事なので考えるのを辞めて今日は早めに寝る事にした。
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