【八】失恋金の斧銀の斧

むかーしのお話。あるところに木こりがいました。

今日も鉄の斧で木を切ります。コーン。コーン。

ところが手が滑って、斧が泉に落ちました。


木こりはしょんぼり。すると泉の中から美しい女神様が現れました。


「あなたが落としたのは金の斧ですか? それとも銀の斧ですか?」


女神様は尋ねました。


「いいえ違います。鉄の斧です」木こりは真面目に答えました。


「あなたは正直者ですね。斧と私を嫁に差し上げましょう!」

「いや、要らね! 斧だけけーしてくれ!」


「女神に興味はないの?」


「ああ、オラ女に興味はねえ」


「女神でも?」


「しつけーなあ! とっとと、オラの斧けーせ!」


「キー! こんな男は初めて嫌い!」


女神はフラれ、斧と一緒に泉に消えました。


「コラー! 斧返せ!」


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