地球侵略目指して今日も宇城君は頑張ります !

ドSフライドポテト

プロローグ・いざ地球へ


「戦闘員No.G-0 (グレイ)!」

「はい !」

「我々ヴィラーン星人は青く美しく、数多くの生命が暮らす理想の星、地球へと侵略する事を決定した。だが地球はまだ謎が多く、攻め込むにはまだ時間を有する......。

No.G-0(グレイ)よ、まずはお前を尖兵として送り込む !

そして星の生態調査をしつつ、侵略計画を実行して来るのだ !」

「了解しました !必ずやその役目、果たして見せます !」


上司からの命令を受け、戦闘員No.G-0(グレイ)である俺は地球という未知なる星と派遣されることとなった。


......本当はすげえめんどくさい。

行きたくない。休みは家でゴロゴロしてたい。

何が悲しくて故郷から離れた遠い星に飛ばされなきゃならないんだ。

しかも地球を制圧するまで帰還は許されない。それを一人でやれって無茶振りにも程がある。

だがもし断れば俺の立場は危うくなり、家族も周りから白い目で見られる可能性が高く、決して命令には背けない。

考えただけで憂鬱だぁ。




「へえ、でも面白そうじゃん、チキューって。私も行ってみたかったなぁ」


自宅に帰った俺は、小さい頃から隣同士の付き合いがあった幼馴染のK-7(ケイナ)に仕事の愚痴をこぼした。

彼女は明るくて人懐っこく、周囲に簡単に溶け込める陽の光のような存在だ。

俺の両親とも仲が良く、家族も同然で帰ったら家にいることは日常茶飯事だった。

どちらかというと日陰者で暗い性格な俺には勿体ないくらいの出来た娘だ。


「だったらお前が代わりに行ってきてくれよ」

「ダメだよ~、レイちゃんが頼まれたんでしょ? 最後まで責任持たなきゃ、それにそんな何があるか分からない星に女の子一人で行かせるわけ ?」

「そ、それは......」


k-7の鋭い指摘に俺は何も言えなかった。


「大丈夫だって、レイちゃんならきっと出来る。自分を信じて」


k-7は優しい声色で諭しながら俺の頭部を撫でる。

昔から彼女は姉のように振る舞い、くじけた時にはいつも励ましてくれていた。


「そ、そうだな......お前の言う通りだよ」


いつまでも嘆いてはいられない。これが俺に与えられた任務だと割り切るしかない。

k-7の激励を受けた俺は一週間後、地球へと向かった。


まず始めにやるべきことは地球という星の調査だ。

この星の文明はどれくらいのレベルなのか、この星の持つ防衛力はどれ程のものなのか、俺達ヴィラーン星人の体質に合った環境なのか、長い年月をかけて徹底的に調べる必要があった。

やることが......やることが多い...... !

だがろくに調べもせず攻めにいったとして、この星の住民がもしも蛮族だったら返り討ちに遭うかもしれない。逆に星と星との戦争に

負けて俺達の故郷が植民地になるかもしれない。

だから迂闊な行動は許されないのだ。

かくして長い長い俺の地球での生活が始まった。

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