主人公の邪魔をするッ!!!

秋爪熊太郎

序章

第1話 始まりッッ!!

 俺の名前は鳴神蓮司。

 高校生だ、2年だ。


 あ、17歳だ。


「やっぱり、ロングの清楚系巨乳が最高だよな?」


 こいつは早乙女誠也だ。


 バカで下品でカスでゴミだが幼馴染で、イケメンで何故かモテる。

 いや、イケメンだからモテる。

 

 そしてなぜかこいつは、喋らないクールキャラで女子の間では人気らしいが、普通に女子と話すのに緊張しているだけだ。


「いや、白髪で普通のおっぱいを持つ美女が正義だ」


 俺は女子としゃべれるがモテない。


 男子にはモテる。

 

 そんな正反対の俺達は、『マジラブッ!!』というギャルゲーにハマってる。


 俺の推しは主人公の幼馴染の、本間玲奈ちゃん。

 白髪美女で、平均値のおっぱい。

 好きな人には、尽くすタイプだ。

 152cmという低身長。

 俺の好みすぎるキャラだ。


 誠也の推しは主人公の先輩の萌木侑さん。

 ツインテールの148cmの小柄だが、ドジっ子優しい小悪魔風女子。

 体型は普通である。


「なぁ、なんか臭くね?」


「屁をこくときは報告するぞ?」


「違う違う、そんなんじゃなくて…ガスっぽい臭い?」


 確かに言われてみれば臭い…かも?

 特に周りにガソリン等の目立つものはない。


「…確かに匂うな、てかなんか揺れてないか?」


「確かに…でもそこまででかくないな」


 グラグラと揺れている。

 目の前のマンホールもちょっとだけカタカタと揺れて不快な音を奏でる。


「おいちょっ…」


 次の瞬間目の前が赤で染まり、轟音が耳を破壊した。

 そして恐らく、俺は吹っ飛んで背中から着地した。


 薄れゆく意識の中で、微かに感じるアスファルトの冷たさが体を侵食してくる。

 

 そして俺はこう思った、これが死かと。



 


 

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