第14話 聖者へ

「2人の鳩の教育はどうするの?。」


「はい、御2人とも男性への嫌悪感が強いので、私が担当します。

まずは個別のアイソレーションルームで幻覚が現れるまで入っていただき

ザイガニック治療としてランダムなタイミングで儀式の映像を見せます。


その後は、新しく作りました2500㎐のスペクトルルームに移っていただき、

儀式の映像を流す時、私が教義の暗示を掛ける時以外は2500㎐を与え続け、

教義をしっかり理解していただきます。


食事は、アヤワスカを配合したスムージー。

朝夜の入浴後にスポコラミンを配合したローションでマッサージを行います。」


「相変わらずの真綿、いやシルクのように深い深い飴と鞭だね。」

嬉々とした笑顔で答えるセリワノフ。


「今回は特別ですので、シルクでなくビキューナです。」

悪戯っぽく秘書は言った。


「はは、素晴らしい。」


「はい、その後は、御2人の部屋で儀式の日まで、生活していただきます。」


「最大にして最高の儀式にしましょう。」


「はい、多くの寄付が集まりますね。」


「下世話な事を、口を慎みなさい。」


「失礼いたしました。」


「2人は永遠の存在になりますよ。素晴らしい。」

額からなでつけるように髪を触り振り向く、描かれた鳩を数えるように視線を動かし、恍惚とした深い息を吐く。

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