第9話 第三の遺体
東京都監察医務院
プロジェクターの光にチラチラと埃が舞う
会議室
上野、安西、解剖医 暮林、科学警察研究所 桝井が居る
「2件目から3か月か、、、止まったと思ったのに、このまま連続するんじゃないだろな。」
上野が不貞腐れたように吐く。
手元のタブレットに視線を落とし暮林が言う。
「2人の女性と1人の男性の身体を組み合わせて、1体にした状態ですね。」
唾液を飲み下す誰かの音がする、暮林は続けた。
「簡単に言うと、頭と足は男、身体と両手は2人の女、内臓も多分組み合わせです。」
「見てられない。」
壁面の画像から視線を外す上野。
「これも、目と口を縫合して性器を切り取ってるんですか?。」
画像に向かって身を乗り出し、目を細める安西。
「はい、同体は性器ごと左右が違う女性で縫合されていて、そこに男性の性器が挿入され焼かれています。胸部も乳首を中心に焼かれています。」
「暴力団関係のリンチかと思うんですけど、さすがに、これは酷すぎる。」
上野の言葉に皆、溜息を漏らす。
「性倒錯者じゃないんでしょうか?。」
安西がしばしの沈黙に切り出した。
「解剖しながら私もそんな気がしました。1件目の鼠は体内進入性愛、2件目は四肢欠損性愛、今回の奇形性愛、、、。」
という暮林の口元を見る安西。
「四肢欠損、愛、、、。なんですかそりゃ?!。」
上野はのけぞりながら頭を抱える。
「性的な欲求を満たす為には、損壊というか扱いが過剰な気がします。目、口、性器や乳房への加虐的な行為は性的な物に対する意図なんでしょうけど、、、。怒りに近いかな、性犯罪被害者に対する報復とか、、、。」漏れそうな動揺を抑えながら桝井が言う。
「そうですか?桝井さん。私は性倒錯者の性欲は人を支配すると思いますよ。」
暮林は強く言った、テーブルに隠し下腹部を触る安西。
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