10.食事の改善
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ーーーー・・・・・・
ーー私が、ジルティアーナになって早くも1ヶ月経った。
最初は、元々ジルティアーナは食べてたんだし!
と思い頑張って慣れようとした。
が、無理だった。
頑張ったがギブアップ。
ほぼ、あの塩お湯+少量のパンしか食べないので、この1ヶ月で結構痩せました!
ただ、ほぼ絶食状態の健康に悪い方法で痩せたので、やつれた。と言う感じだけど···。ダイエットしたいとは思ってたが、これは違う。健康的に痩せたい。
野菜ならイケるのでは?
と野菜料理をお願いしてみた。
最初は渋られた。
なんでも、この国では基本的に貴族は、主に肉を。場所によっては魚を食べ、野菜は平民が食べる物。という認識なのらしい。
·····いや、バランスよく食べましょうよ?
と思ってしまったが、これがこの国の常識だ。って言うのだからしょうがない。
どうりで食事に野菜が出ないわけだわ。
今まで野菜はスープか、肉料理に、弁当屋の揚げ物の下に添えてあるスパゲティ?と思うくらいの、気持ち程度にちょこっと添えられたものくらいでほぼ見なかった。
酪農や狩猟、海鮮を捕るのは平民の仕事なのに、平民は王や領主の許しがないと肉や魚を食べれないらしい。
なんと、勝手に捕ったり食べたりすると罰せられるんだってさ。
何それ。
育て捕るだけやらせて食べれないなんて可哀想!!
その土地のお偉いさんに勝手に決められ、許された量の加工された干し肉やソーセージやハム等は、平民にも流通してるがその量は多くなく、平民にとっては高級品らしい。
と、そんな訳で
“ 上級貴族なのに、なんで好き好んで草食べるの!? ”的な反応をされてしまったが、とにかく食べてみたい!との事でお願いし、どうにか出してもらった。
·····野菜でも、油まみれ炒めが出されてしまった訳だけど。
でも、元々脂の多い肉の油炒めよりは、だいぶマシだった。
もちろん肉ばかりの時点で、油や香辛料を減らして欲しい。と訴えたが、なかなか料理人に上手く伝わらず、直接話したり厨房に行かせて貰えないか聞いたが、却下。
上級貴族のお嬢様が平民である料理人と言葉を交わすことはまずないらしい。もちろん自分で作るなんて以ての外だった。
そこで私は思いついた。
焼いたり揚げたりするから、油使うんだよ。蒸せばいいのでは!?
と、思い聞いてみたが、この世界では蒸すという調理法はないらしい。そして例のごとく、直接会えないので教えたくても、できない。
あ!じゃあ、茹でるは!?と聞いてみたら····あまり使う料理法ではないがやることもあるらしい。
てな訳で、茹で野菜。
更に豚肉モドキ・鶏肉も茹でてもらい、ゆで卵も作ってもらった。
味付けも、お任せしちゃうと濃ーーい味になる事が目に見えてたので、自分の好みで後付けしたい。との事で塩やコショウを用意して貰い、後から自分好みにつけて食べれるようにしてもらった。
目の前には茹でられた、肉、卵、野菜!!
やった·····!やったよ·····!!
久しぶりにパン以外で油でテカってない食事を見た。ただの茹で野菜たち。見た目も地味だが今の私にはご馳走に見えた。
「いただきます!」
普通ならそんなに美味しくはないのだろうが今迄の料理に比べると格段によく思えた。
味も大量の香辛料がかかってないからちゃんと野菜の味がする。素材の味がするって素晴らしい!
でも、黙々と野菜たちを食べてると、欲が出てくる。
あああああ。お米が食べたい。味噌や醤油が欲しい。今は茹でたものにポン酢やゴマだれ掛けたいよーーーー!!
でも、贅沢は言ってられない。茹で野菜に塩を振ったものを噛み締めたのだった。
「それ、美味しいのですか?」
茹で野菜を食べていると、エリザベスさんが不思議そうな顔で聞いてきた。
お、気になるの??だったら·····
「うん。私にはいつもの食事より、ずっと美味しいよ。良かったらちょっと食べてみない?」
「え!?」
笑顔でオススメしてみると、彼女にとっては予想外の事だったようで、とても驚かれた。
やっぱりエリザベスさんも貴族だから、平民が食べる野菜を食べるのに抵抗があるのかな?
と思ったが、そうではないらしい。
ただ、今までジルティアーナに一緒に食べよう。等と誘われた事がなかったのでびっくりしたようだ。
ジルティアーナの記憶を見てみる。
うん。確かに無さそうね。どうやらリズの事を大切な家族の様に思っていたが、幼い時から侍女として仕えてきたリズと一緒に何かを食べる。という感覚が無かったようだ。
ーーーでも、私は
「ねぇ。良かったら一緒に食べよ?
実はひとりで食べるの寂しかったんだ。ここには私達しか居ないし、エリザベスさんが一緒に食べてくれたら嬉しいな」
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