亜香里と同じ高校に入りたい
修学旅行も過ぎると学力テスト、期末テストとテストが続く。
これから高校入試までテスト三昧が続くと思うと気が重い。
一つ重大な事が発覚した。
俺、このままだと亜香里と同じ高校に入学できそうにない。
亜香里と同じ高校に入学する為には岳のバージョンをツーランクアップしなければならない。
両親にその事を話したら・・・
その次の日から塾へいかされた。
たぶん夏休みは勉強漬けで、青春を謳歌なんて言葉は俺とは無関係になるだろう。
そう思っていたら・・・
夏休みは地獄だった。
それは俺のおおらかな性格が悟みたいな嫌味な性格に変わる程だった。
夏休み明け、こんな性格のまま亜香里に会うのが怖かったがこんな俺を亜香里は笑って理解してくれた。
なんとしても頑張って亜香里との約束を果たしたい。
夏休み明けの実力テスト結果は目指す高校の入学可能圏にまで上げる事ができた。
夏休み前の成績が努力圏だったのでこれでも大幅なアップなんだが・・・
これを安全圏までもって行かないと夏休みの努力が無駄になってしまう。
亜香里と一緒に居る時間も勉強の事ばかりが気になってどこか上の空な俺がいる。
もっと亜香里の事をいろいろ考えていたい。
でも、今の俺にはそんな事を考える余裕が全くない。
俺はこんな自分に嫌気が差した。
亜香里と同じ高校に行く為に頑張っているのに・・・
亜香里と一緒に居る時間がつくれないなんて、なんか間違っているのでは?
大きなアクビがでた。
なんだか眠い。
机の上で突っ伏して寝そうになったので、シャワーを浴びて眠気をはらう事にした。
熱いシャワーは眠気をとばしてくれる。
ふっと気になって両肩の宝毛を探したら、両肩にしっかり付いていた。
なんだかホッとして浴室をでる。
鏡を見ると目の下が隈になってた。
俺は鏡に向かってニッと笑いかけてみた。
でも、鏡の中の俺はムスッとしたままだ。
エッ?
何がおこった?
鏡の中の俺の口元が動き出した。
「ヒドイ顔だな、堕天使君。俺は武、岳の双子の兄で生まれて7日で亡くなった。」
「何?俺には双子の兄なんて居ないはずだ。」
「俺は悪魔の生まれかわりだからな。きっと最初から存在しない事にしたかったんだろう?」
「悪魔の生まれかわり?」
「そうだ!俺達は堕天使と悪魔の生まれかわりとして生をうけた。俺の身体は俺の魂に耐えられずに7日で果てたがな。」
「いったい何を言ってるんだ?」
「オマエの両肩には死神の翼が生えているだろう? 辛かったらいつでも交代してやるから身体は大切にしておけ。」
気づくと俺はいつの間にか机に突っ伏して寝ていた。
なんだ夢だったのか?
きっと俺は疲れているんだ。
今日はもう寝よう。
そう思い俺は気絶する様に眠りについた。
翌朝、母さんに「俺って双子で生まれたの?兄は7日で亡くなったの?」って聞いてみた。
母さんは「何で知ってるの?」って言った。
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