秘密結社
魔術学園には、いくつかクラブが存在する。その中で、特殊なものとして秘密結社「首飾りの会」が上げられる。
この秘密結社の全体像を知ることは、結社幹部に限られているが、全校生徒の約3割もの生徒が加入していると言われている.
その歴史も古く、200年前の大戦からあると言われている。結社に関する逸話や伝説の類は枚挙にいとまがない。
しかし、表面上の活動はボランティアであり地域の清掃活動や文化活動などさまざまある。そのほとんどは、皆明るく参加しており怖いや暗いなどの印象はない。
ただ、秘密結社というだけあって幹部が誰でなどの全体像や内部が分からない。そしてその目的もいまいち伝わっていない。
「首飾りの秘密と伝統の継承」が目的らしいが首飾りがどんな秘密を持っているのかすらわからないので、ある意味では二重の秘密である。
首飾りの伝説・・・首飾りはこの学園出身の賢者エアが残したもであるとか、歴代学長の不貞の歴史が収められているとか...真偽不明の噂には事欠かない。
そんな秘密結社からの手紙が届いた。
エアノアは誰にも見られないようにトイレに行き、蝋封を開く。
中には便箋が一枚あり内容は指定された日時に結社の館に来てほしい。他に何もなかった。
紙がなんとも言えない黄色で触りごごちの良いもので少し甘い匂いもあった。
それにしても差出人も面会者の名前もない。こんなんで面会できるのかと疑問に思う。
こちらには拒否権も修正もないのかと思われて不満ではあったが、入ることのできない館に入れる期待もあった。
指定された日時は二日後の午後2時こちらがコマを入れていないのは把握していたのだろうか?
秘密結社の館は通常の部室に比べると、かなり大きい。
校舎から園庭を挟んだ向かいにあり、もう一つの校舎と言ってもいいほどの規模であった。
午後に行くと、結社の館の扉の前には一人の男子生徒が立っていた。
要件はとぶっきらぼうなに聞かれた。
「面会に」とややおどつきながら答える。
案外すんなりと面会用の出入り口を教えてくれる。
入ると外観の重苦しく古い印象以上に、かなり重苦しいくらい雰囲気の内装で祖母の古い家を思い出した。
机に座ったおそらく受付?の一人の女生徒に面会を伝える。
「どなたの面会ですか?」エアノアの不安が的中した。(やっぱり聞かれるじゃないのよ〜〜)
「それが、この手紙にお名前がなくて...」少し泣きそうなくらいの声であった。
受付が少し怪訝な様子でこちらを見ている。
エアノアは、なんとか手紙を差し出す。
驚くように目が見開かれたように思える。
持ってきて正解であった。
受付の女生徒は、手紙を改めてかなり入念に見ている。
そして、あろうことか近くの蝋燭の炎に近づける。
「あっ」エアノアは思わず声を出してしまう。
その瞬間一気に燃え上がりなんと紫色の炎を上げる。
受付は気を取り直したようにエノレアの顔を見つめると、案内するから後についてくるようにと言われる。
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