TIPSまとめ7



①隔離


【Tips】アンゴルモア中の迷宮と主

 アンゴルモア中は、迷宮の主が迷宮外へ出てくることになるが、迷宮と主の繋がりは切れておらず、迷宮外においても主補正は健在であり、主が倒されるまで新しい主が生まれることもない。

 そのため迷宮外の主を倒したとしても迷宮の沈静化は起こり、また踏破報酬も通常同様に迷宮の最下層に発生する。


 なお、特殊型迷宮(通称、試練の迷宮)のように誰かが侵入して初めて主が発生されるタイプの迷宮は、アンゴルモア中においても主が勝手に発生したりしないことが確認されている。



②階段


【Tips】イレギュラーエンカウントの魔石

 イレギュラーエンカウントの落とす紅い魔石は、使っても無くならないという性質を持つ。

 一日に生み出すエネルギー量こそ同サイズの通常の魔石と同じだが、この性質により、イレギュラーエンカウントの魔石は低ランクのモノであってもクリーンなエネルギー源として各国の発電を支えている(いた)。



③取引


【Tips】玉手箱

 イレギュラーエンカウント・浦島太郎が落とす異空間型の魔道具。

 内部に異空間があり、その中で過ごしている間は外では時間が経たず、歳も取らない。

 ただし、玉手箱から一歩でも出た瞬間、内部で過ごした時間に応じた『老い』が、利子付きで使用者に降りかかる。

 利子は内部で過ごした日数の二乗であり、2日(24時間以上48時間未満)なら4日分の、30日なら900日分の、1年なら365年分もの『老い』が降りかかってくる。

 まさしく、童話の浦島太郎の境遇を再現した魔道具。


 1日以内に出れば利子はつかないが、玉手箱内には1日1回しか行けない。

 また『老いの利子』が使用者の残りの寿命を超えた時点で強制的に排出される。


 玉手箱内では、『中でどれだけ過ごしても歳を取らない』という効果の副作用からかステータスも変化しないが、内部では熟練度が蓄積されており、それらは玉手箱から出た瞬間に反映される。

 スキルや魔道具の使用回数、霊格再帰も回復するが、因果律の歪みは中でどれだけ過ごしても減少しない。

 物資の持ち込みは無制限(これを持っていくというはっきりした意志が必要)であるが、内部にそのまま置いて出ることはできない(外へ出た瞬間、内部の物は外へ無造作にばら撒かれる)。

 所有者以外の人間や、所有者のカードだけで玉手箱を使うことはできない。



④門番


【Tips】領域のモンスター

 門番の領域に住むことを許されたモンスターたちは、迷宮によって課された『人類への試練とご褒美』の枷を解かれている。

 これにより人類に対し無条件に襲いかかることは無くなったが、カードとしてドロップすることも無くなっている。

 交渉によりカード化することも可能だが、器としてカード化の魔道具が必要となり、契約時の条件を破った(あるいは守るつもりが無くなった)時点でカード化も解除される。



⑤孤立


【Tips】魔石のランクごとのエネルギー目安

 一世帯(家族四人)当たりの一日の電気使用量をエネルギー1をとした場合。


F:30~60

E:60~120

D:240~500

C:2000~4000

B:30000~60000

A:1000000(100万)~???



⑥ 模索


【Tips】アンゴルモア中のドロップ率

 アンゴルモア中は、フェイズの進行にあわせてカードのドロップ率が上昇していくことが確認されている。

 これは、アンゴルモア自体が試練の役割を果たしているからであり、正確に言えば『カードのドロップ率が本来に戻っていく』が正しい。

 平時における迷宮でのドロップ率は、『戦場を自分で選べる』『いざとなれば撤退できる』という時点で試練の難易度が落ちており、その分ご褒美も厳しくなっている。

 そのため、ドロップ率が本来の値に至った時点で、ドロップ率はそれ以上上昇しなくなる。

 以下が本来のドロップ率となる。


Aランクのドロップ率:無し(相手に認められたら)。 

Bランクのドロップ率:0.1% 

Cランクのドロップ率:1%

Dランクのドロップ率:10%

Eランクのドロップ率:50%

Fランクのドロップ率:100%

 


⑦金玉


【Tips】門と門番

 各地を隔てる門には、それを守る門番が存在する。

 門を通るには、交渉により通行料を払うか、門番を倒す必要があるが、門番は迷宮の主以上にステータスが強化されており、またそのスキルの制限も枷を解かれている(真スキル化)。

 門番は、他のモンスターに倒されると交代するという性質を持ち、自分と同ランクのモンスターを領域に入れることはまずないが、誰かが門を通った瞬間だけは他地域のモンスターの侵入も防げないため、門を開けるのは門番にとってもリスクを伴う。

 そのため通行料を払えば誰でも通れるというわけではなく、明らかに格下の相手であれば門番は戦うことを選ぶだろう。



⑧再会


【Tips】安息日

 アンゴルモア中のモンスターは、常に活動し続ける迷宮内と違い、積極的に暴れまわる活動期と、あまり動かずエネルギーを蓄える休眠期を繰り返す。

 このモンスターの休眠期を安息日と呼び、すべてのモンスターの安息日が重なる日を『完全休息日』と呼ぶ。

 そのサイクルはランクごとに異なり、以下の通りとなる。


『Fランクモンスターは、27日動き1日休む』

『Eランクモンスターは、26日動き2日休む』

『Ⅾランクモンスターは、13日動き1日休む』

『Cランクモンスターは、12日動き2日休む』

『Bランクモンスターは、6日動き1日休む』


 なお、この安息日は、モンスターが迷宮から出てきたタイミングによって多少のズレが出てくるため完全にあてになるわけではないため、あくまで目安となる。


⑨対立


【Tips】自衛隊のレポート:安全地帯と疑似安全地帯の仕様

 現在までに判明している安全地帯についての仕様をここに纏める。安全地帯は、迷宮攻略に当たって必須の知識であるため、全員が目を通して置くこと。


 ・安全地帯は、モンスターの干渉を完全に遮断する効果がある。

 ・迷宮の安全地帯は転移ポイントを兼ねている場合が多いが、これは厳密には別の物であり、迷宮内の安全地帯でも転移が出来ない物も存在する。

 ・安全地帯内からカードやマスターが外のモンスターへ攻撃したり、外にいる味方へ支援・回復を行った場合、全階層の安全地帯が消滅する。これは、迷宮を踏破するまで復活しない。

 ・安全地帯内にカードが残っていても、マスターが外におり、安全地帯内のカードが攻撃や支援といった行動をしなければ安全地帯は消滅しない。ただし、マスターがダイレクトアタックを受けると、バリアによるダメージの肩代わり支援に該当するのか、安全地帯が消滅する。

 ・大規模迷宮災害(以降アンゴルモアと称する)の際は、安全地帯のモンスター除けの効果は失われる。安全地帯自体が消滅するわけではなく、転移ポイントとしての能力は健在。またアンゴルモア中に、安全地帯内で戦闘しても安全地帯は消滅しない。


 続いて、一部のスキルで生成可能な疑似安全地帯の性質についても纏める。

 ・疑似安全地帯の性質は基本的に迷宮の安全地帯と同じ。ただし、転移系のスキルやアイテムの対象とはならない。

(追記:安全地帯の消滅した迷宮の安全地帯で使用した際は転移が可能となったため、このことから安全地帯と転移ポイントは厳密には別物と判断した)

 ・効果範囲はスキルによって異なるが総じて迷宮のものよりも狭く、多くは半径100メートルの球体状。

 ・アンゴルモア中であっても「モンスター除け」の効果は無効化されない。ただし迷宮の階段前に展開した場合のみ「モンスター除け」の効果が無効化されることを確認。

(階段付近に「モンスター除け」の効果を無効化する作用アリか? 要検証)

 ・疑似安全地帯は、疑似安全地帯作成スキルで解除可能(敵の疑似安全地帯作成スキル持ちに解除される恐れあり)。

 ・異空間型カードの「内部」でも発動可能。

 ・展開した異空間が安全地帯の範囲よりも大きかった場合、はみ出した分は安全地帯の効果を受けない。

 ・アンゴルモア中、迷宮のゲートに重なる形での疑似安全地帯作成は、沈静化状態であれば可能。




⑩拠点


【Tips】商業神の権能

 商業神の権能は、現在そして過去の商業神との商取引を可能とする。

 たとえ現時点で在庫リストに載っていない物であっても、過去の商業神へと注文を送り、それをその時代の商業神が手に入れられれば瞬時に在庫リストへと反映される。

 交換レートは、商業神たちでも勝手に決めることはできず、『買う側の時代に生きる者たちの認知』が価格を決める。

 そのため、アンゴルモア前とアンゴルモア後では、同じ商品でも価格が大きく異なる。


 やり取りできる物品は、自然からの産物か人の手で作られた物に限られ、迷宮産の魔道具はやり取りできない(魔石や迷宮内から産出された鉱石等はやり取り可能)。

 人工魔道具はやり取り可能であるが、迷宮からの魔道具を加工しただけの物(ポーション等の成分を弄った物など)はやり取りできない。

 なお、モンスターからドロップした聖銀をドワーフなどの生産系カードが加工した聖銀製の武具は、人の手によって作られた物の範疇に入る(人の手でも作れる物をカードに代わりにやらせているだけなため)。


 真スキル化した商業神の権能は、カードや魔道具の取引も可能とする(ただし、同じ真スキル化した商業神間に限る)。


⑪裁判


【Tips】通常のオセのステータスと、真スキルの考察


【種族】オセ

【戦闘力】700

【先天技能】

 ・ソロモン第57の大悪魔:地獄の大総裁たるオセの虚偽、教養、宝探しの権能を使用可能。

(虚偽:物事を本来の形から歪め、偽る権能の総称。広義的には獣の権能もこれに含まれるが、虚偽の権能では『機能』までは書き変えることはできない。存在の書き換えに近いため、虚偽察知のスキルでは判別不能)

(教養:知の権能の下位互換。一般に広く知られている知識を検索可能。知の権能とより優れている点として、検索した知識をマスターに植え付けることができる。lただし、それらの知識が長期間定着することはない)

 ・偽王の軍勢:眷属召喚能力を持ったCランク相当の悪魔を召喚可能。一日一回、三十体まで。

 ・偽りの王冠:偽りの王冠を具現化し、身に着けた者を王として君臨させる。味方全体にレベルアップの魔法を掛け、ステータスを二倍に強化する。一日に一回のみ(一時間持続)。

 ・眷属強化


 ~~マロの覚書より~~

『真スキル化したオセは、特異な眷属召喚と眷属強奪スキルを見せた。

 召喚された眷属は、眷属封印でも消えなかったことから、眷属属性自体が消えていたと思われる。……魂入りとの言葉から、本物のモンスター化すらしていた可能性すらある。

 また、その戦闘力はBランククラスであり、本来持たないはずの身代わりスキルを有していた。

 絶対攻撃は、防御系スキルのダメージの肩代わりをも貫通するため、あの身代わりはカルキノスのような『ロストを肩代わりする』モノだろう。

 つまり、オセはイライザによって一度はロストさせられており、その時点で眷属も消え去るため、本来は眷属による身代わりなど出来ないはずである。

 そのことから考えても、あの眷属たちはオセから独立した本物のモンスターであった可能性が高い。

 これらの能力がどのスキルによるものかはわからないが、オセの残した謎のカードについては慎重に取り扱うべきだろう』



⑫序曲



【Tips】自衛隊のレポート:異空間型の仕様

 数々の実験により、異空間型スキルの仕様が大体判明したため、ここに纏める。


 ・異空間型には核となる存在がおり、それを倒さない限り、いくら異空間内部を破壊しても消滅しない。

 ・異空間型内部の構造の変化や、罠・食料の生産にはリソースを消費する。

 ・異空間の内部は外部と完全に隔てられており、内部から外部へ干渉出来ない代わりに『原則』外部からの干渉も受けない。

 ・マスターが内部におり、カードが外部にいる状態で空間を隔離はできない。

 ・マスターが外部におり、カードが内部にいる状態で空間の隔離はできない。

 ・異空間型カードは、異空間型カードの内部により小規模な異空間型カードを入れ子状に展開できる。〇:ヘスペリデスの園→マヨヒガ→壺中之天、×:マヨヒガ→ヘスペリデスの園。

 ・異空間型カードは、他の異空間型カードと連結可能(というか、接している場合、勝手に繋がる)。これは敵味方問わずであり、敵の場合はこれを利用して手駒を送り込んでくる。味方同士で連結したとしても生命力やら生産可能な食料量等は共有されない。単に空間が繋がるのみ。

 ・入れ子状となった異空間型や、連結した異空間型が空間隔離されている場合、自分も空間の隔離を行える。

 ・異空間型の一部でも安全地帯に触れている場合、異空間型内全体に安全地帯の効果が及ぶ(異空間型のサイズが安全地帯を超えていても問題ない)。

 ・連結した異空間型カードにまでは安全地帯のモンスター除け効果は反映されない(かつて異空間型を連結しまくって階層全体を安全地帯化する試みが行われたが、失敗した)。

 ・カードギアの通信は、空間隔離中の異空間型内部でも可能。ただし、異空間型の意思次第で遮断もできる。

 ・アンゴルモア中、迷宮のゲートを覆い隠す形での異空間展開は、迷宮が沈静化状態であれば可能。


⑬真相


【Tips】星母の会

 モンスターと人間のハーフであるネフィリムたちが設立した宗教団体。

 表向きは、迷宮を礼賛しカードの人権(?)向上を掲げるカルトであるが、その真の目的は、この星そのものである『母なる海』の救済である。

 かつて地球上の生命のほとんどを滅ぼすに至った『滅び』。

 それが、因果律の歪みと同一化してモンスター化した存在である『アンゴルモアの大王』を倒し、『母なる海』を救うことが星母の会の最終目的であり、カードとモンスターたちの自由はあくまで副次的な目的に過ぎない。

 そのためには、意図的にアンゴルモアを引き起こし、地球上の生命の半分以上を『間引き』することすら厭わない。

 第二次と第三次のアンゴルモアは、星母の会によって意図的に引き起こされたものである。

 類似の宗教団体は名前を変えて世界中にあり、そのどれもがAランクモンスターが転生したネフィリムたちによって率いられている。






【種族】吉祥天/黒闇天(蓮華)

【戦闘力】3400(MAX!)(初期戦闘力750×2+成長分1500+黒闇天分500+霊格強化分100-零落スキル分200)

【先天技能】

 ・真吉祥天の真言

 ・真二相女神

 ・真アムリタの雨


【後天技能】

 ・廃棄されし者

 ・限界突破

 ・明星の瞳

 ・零落せし存在

 ・霊格強化

 ・天衣無縫

 ・高等魔法使い

 ・知恵の泉

 ・友情連携

 ・かくれんぼ

 ・神の寵愛

 ・高等忍術

 ・生還の心得

 ・戦術

 ・美術:美術に対する一定の知識と技能を持っている。特定行動時、行動にプラス補正



【種族】セレーネー(イライザ)

【戦闘力】3000(MAX!)(初期戦闘力1500+成長分1500)

【先天技能】

 ・輝く満月の女神

 ・三相女神

 ・凍てつく月の世界

 ・獅子座の護り

 ・高等魔法使い


【後天技能】

 ・フェロモン

 ・暗殺

 ・不滅の盾:防御系スキルの最高峰。後天スキルで、これ以上の性能の防御スキルは現状確認されていない。周囲の味方のダメージを肩代わりすることができる。使用中、防御力と生命力が三倍となり、一日に一回だけ一分間『不滅』状態となることができる。

(不滅:効果中、生命力以上のダメージを負ってもロストを免れることができる)

 ・精密動作

 ・魔力強化

 ・詠唱破棄

 ・直感

 ・フィンの親指

 ・限界突破

 ・生還の心得

 ・魔力回復

 ・文武一道

 ・膏血を絞る


【固有技能】

 ・マイフェアレディ(知恵の泉):敵味方の内一体の後天スキルを一つコピーすることができる(?) 絶対服従、多芸、明鏡止水を内包する。

(多芸:メイド、演奏、罠解除、戦士、教導、戦術、作曲を内包する)

(メイド:メイドに必要な技能を収めている。料理、清掃、性技、礼儀作法を内包する)

(戦士:戦士に必要な技能を収めている。武術、剣術、槍術、弓術、騎乗スキルを内包する)

 ・ハーメルンの笛:異なる効果を持った五つの楽曲を登録を可能。楽曲は自分で作曲する必要があり、登録して初めて効果が定まる。長距離転移、短距離転移、絶対攻撃を使用可能。使用時は、バニーガール風の道化師服へと姿が変わる。


『芽生えし心の前奏曲(プレリュード)』:この曲が流れている間、自身と仲間のスキルは音が届く範囲すべてにその効果が届くようになり、制限時間のあるスキルはその効果が延長される。この曲の音色は、いかなる障害も貫通してその『心』に届き、またその音は笛を吹くのを止めた後もその場に残響し続けるという性質を持ち、これは次の曲にも適用される。すべての曲の下地となる前奏曲。



【種族】アルテミス(ユウキ)

【戦闘力】3200(MAX!)(初期戦闘力1600+成長分1600)

【先天技能】

 ・満ち行く三日月の女神

 ・三相女神

 ・凍てつく月の世界

 ・双神

 ・矢を射かける者:装填、狩人スキルを内包する。

(装填:魔法を武器に籠めて放つことができる)

(狩人:狩人に必要な技能を収めている。武術、弓術、遠見、追跡、気配遮断スキルを内包する)


【後天技能】

 ・忠誠

 ・小さな勇者

 ・本能の覚醒

 ・真なる者

 ・限界突破

 ・真眷属召喚

 ・縄張りの主

 ・高等忍術

 ・騎獣

 ・物理強化

 ・見切り

 ・純潔の誓い

 ・高等攻撃魔法

 ・高等状態異常魔法

 ・残滓結晶:人物眼スキルを内包する。

 ・戦術

 ・文芸:文芸に対する一定の知識と技能を持っている。特定行動時、行動にプラス補正



【種族】サキュバス(メア)

【戦闘力】1100(MAX!)(初期戦闘力450+成長分450+霊格再帰分200)

【先天技能】

 ・巫山の夢

 ・胡蝶の夢

 ・淫魔の肌


【後天技能】

 ・ファムファタール

 ・友情連携

 ・中等魔法使い

 ・高等状態異常魔法

 ・人を呪わば穴二つ

 ・生還の心得

 ・霊格再帰(CHANGE!):リリム(700)、ヘカテー(950)。数値は、初期戦闘力。

 ・耐性貫通

 ・詠唱短縮

 ・高等攻撃魔法

 ・魔力強化

 ・魔力回復

 ・戦術

 ・美術

 ・文芸



【種族】瀬織津姫(鈴鹿)

【戦闘力】1700(MAX!)(初期戦闘力750+成長分750+霊格再帰分200)

【先天技能】

 ・祓い水に流す祓戸大神(はらえどのおおかみ):水の流れを司る水神にして穢れを払う祓神である瀬織津姫の権能を使用可能。

 ・浄化の水垢離:清めの水を降らし、場の穢れを根こそぎ洗い清める。敵味方全員の状態異常を治し、一定時間状態異常を無効化する空間を形成する。

 ・清濁併せ吞む水の理:同一視される橋姫の力を内包し、眷属として召喚することができる。無限召喚型。橋姫の先天スキルをすべて内包する。

 ・高等魔法使い


【後天技能】

 ・目隠し鬼

 ・狩人

 ・見切り

 ・良妻賢母:料理、清掃、育児、性技を内包する。

 ・虚偽察知:対象の偽りを見抜く。

 ・友情連携

 ・かくれんぼ

 ・霊格再帰:茨木童子(1200)。数値は、初期戦闘力。

 ・剣術

 ・鑑識眼

 ・詠唱短縮

 ・生還の心得

 ・戦術

 ・弱点無効:弱点属性や特攻による補正を無効する。



【種族】茨木童子(鈴鹿)

【戦闘力】2150(初期戦闘力1200+成長分750+霊格再帰分200)

【先天技能】

 ・鬼の頭領の右腕:正当な神ではないが、権能クラスの窃盗と虚偽の力を持つ。

 ・大江山顕現:酒吞童子らが根城にしていたという大江山を展開できる。敵の鬼属性眷属を奪い、味方鬼属性眷属に『狂化』を付与する。大江山内部では鬼属性眷属が時間経過で消滅しなくなり、その保持数は自身の戦闘力に依存する。

 ・四天王招来:星熊童子、熊童子、虎熊童子、金童子ら酒呑童子の四天王を召喚する。星熊童子らはBランク相当の力を持ち、茨木童子がいる限り何度でも復活する。

 ・一条戻橋の鬼:同一視される橋姫の力を内包し、眷属として召喚することができる。召喚される橋姫は無限召喚型でありながら最高位眷属体スキルを持ち、またその召喚速度も極めて速い。

 ・鬼の残党:酒吞童子退治において唯一逃げ延びたという逸話を持つ。味方に酒吞童子がいる限り、不滅状態となる。


【後天技能】

 ・目隠し鬼

 ・狩人

 ・見切り

 ・良妻賢母:料理、清掃、育児、性技を内包する。

 ・虚偽察知

 ・友情連携

 ・かくれんぼ

 ・霊格再帰

 ・剣術

 ・鑑識眼

 ・詠唱短縮

 ・生還の心得

 ・戦術

 ・弱点無効

 ・初等魔法使い



【種族】ヴィーヴィル(マイラ)

【戦闘力】1250(MAX!)(初期戦闘力400+成長分400+霊格再帰分100+霊格強化分250+ヴィーヴィルダイヤ分100)

【先天技能】

 ・宝竜玉

 ・宝竜鱗

 ・宝竜息

 ・破鏡再び照らさず:メイド、中級収納スキルを内包。


【後天技能】

 ・霊格再帰:ヒュドラ(850)。数値は、初期戦闘力。

 ・霊格強化

 ・滅私奉公 

 ・中等魔法使い

 ・戦略

 ・ヴィーヴィルの瞳

 ・耐性貫通

 ・魔力消費軽減

 ・高等補助魔法

 ・高等状態異常魔法

 ・忠誠


【種族】ヒュドラ(マイラ)

【戦闘力】1700(初期戦闘力850+成長分400+霊格再帰分100+霊格強化分250+ヴィーヴィルダイヤ分100)

【先天技能】

 ・不死の九頭竜:不死の怪物たるヒュドラの所以。不死身とも言える生命力を持ち、頭を切り落とされようと傷口を焼かない限りその頭は瞬く間に再生され、逆に増え続ける(最大百)。毒竜玉、毒竜鱗、毒竜息、多頭龍を内包する。

(多頭龍:複数の頭を持つドラゴン。すべての頭が別々に思考・行動が可能で、同時にブレスや魔法の発動が可能)

 ・ヒュドラの毒:息を吸っただけで死に至り、そこにいるだけで周囲を毒の地へと変える猛毒。耐性を無視し、高等回復魔法でも解毒困難な猛毒と再生阻害の呪いを与える。ギリシャ系の種族に対し特効。高等状態異常魔法を内包する。

 ・海蛇座の加護:海蛇座の加護により弱点を突かれない限り不死の力を持つ。中央の頭を不死とする。不死、生命の泉を内包する。中央以外のすべての頭を潰すことで解除。

 ・高等攻撃魔法


【後天技能】

 ・霊格再帰

 ・霊格強化

 ・滅私奉公 

 ・高等魔法使い

 ・メイド

 ・戦略

 ・ヴィーヴィルの瞳

 ・耐性貫通

 ・魔力消費軽減

 ・忠誠



【種族】ネヴァン (ドレス)

【戦闘力】3200(MAX!)

【先天技能】

 ・死と勝利の戦女神

 ・三相女神

 ・破壊と殺戮と勝利の加護

 ・毒のある女


【後天技能】

 ・七転八起

 ・不屈の精神

 ・眷属強化

 ・遠見の術

 ・メイドマスター:メイド、低級収納、秘書、教導、演奏、舞踏、庇う、戦術、服飾家スキルを内包する。

(服飾家:服飾家として必要な技能を修めている。服飾、美術、精密動作スキルを内包する)

 ・限界突破

 ・高等忍術

 ・怪力

 ・自己再生



【種族】モリガン

【戦闘力】1640(MAX!)

【先天技能】

 ・支配と殺戮の戦女神

 ・三相女神

 ・破壊と殺戮と勝利の宴

 ・大いなる女王


【後天技能】

 ・神のプライド

 ・物理強化

 ・怪力

 ・目隠し鬼

 ・かくれんぼ

 ・不屈の精神

 ・戦略



【種族】ヴァハ

【戦闘力】1560(MAX!)

【先天技能】

 ・怒りと破壊の戦女神

 ・三相女神

 ・破壊と殺戮と勝利の宴

 ・赤い鬣のヴァハ

 ・高等魔法使い


【後天技能】

 ・神のプライド

 ・魔力強化

 ・魔力回復

 ・簡易神殿

 ・詠唱短縮

 ・戦略



【種族】フリッグ (オードリー)

【戦闘力】1200(300UP!)

【先天技能】

 ・フリッグの鍵束:愛、契約、家庭、織物、豊穣を司る女神フリッグの権能を使用可能。

 ・名もなき女神侍女:フリッグに仕える下級女神の侍女たちを無限召喚する。女神侍女たちは、カードには存在しないが、Cランク程度の戦闘力を有する。無限召喚型としては珍しい中位眷属体であり、『メイド』『武術』『献身の盾』『中等魔法使い』等のバランスの良い先天スキルを有する。

 ・豪華絢爛なる海の宮殿:フリッグが住まう宮殿フェンサリルを展開する。自身の戦闘力から一割分、宮殿内部の敵の戦闘力を低下させ、味方の戦闘力を向上させる。宮殿内部の味方の生命力・頑丈さ・状態異常耐性を大きく向上させ、生命力と魔力を持続回復する。眷属維持を内包する。

(眷属維持:魔力を消費し、自らの召喚した眷属の持続時間を延長する。)

 ・万物よ我が愛し子を傷つけるなかれ:フリッグが息子バルトルを守るために万物にバルトルを傷つけないように誓わせた契約の再現。対象に絶対防御を付与する。ヤドリギによる攻撃で解除、反動により大ダメージ。効果時間十分、クールタイム十分。

 ・高等魔法使い


【後天技能】

 ・メイドマスター:メイド、上級収納、秘書、教導、演奏、舞踏、武術、精密動作、庇う、戦術、服飾スキルを内包する。

(メイド:メイドに必要な技能を収めている。料理、清掃、性技、礼儀作法を内包する)

 ・忠誠

 ・殉死:マスターへのダイレクトアタックによって他のカードがロストしかけた際、すべてのダメージをこのカードが肩代わりすることができる。生還の心得を内包する。

 ・中等補助魔法→先天スキルに統合

 ・中等回復魔法→先天スキルに統合

 ・高等家事魔法

 ・かくれんぼ

 ・神のプライド(LOST)

 ・気配察知

 ・魔力察知

 ・魔力回復

 ・魔力消費軽減

 ・詠唱短縮



【種族】アテナ(アテナ)

【戦闘力】1900(MAX!)

【先天技能】

 ・都市と英雄の守護女神

 ・アイギスの護り

 ・英雄への加護

 ・来たれ、勝利の女神よ

 ・高等魔法使い


【後天技能】

 ・純潔の誓い

 ・神の寵愛

 ・技能解放

 ・小さな勇者

 ・戦略



【種族】キマリス

【戦闘力】1300(MAX!)

【先天技能】

 ・ソロモン第66の大悪魔:地獄の侯爵たるキマリスの言語、海渡り、宝探しの権能を使用可能。

 ・アフリカの悪霊を統べる者:眷属召喚能力を持ったCランク相当の悪魔を召喚可能。一日一回、二十体まで。

 ・戦士の波動:キマリスの発する闘気の波動により、どんな臆病者であっても勇敢な戦士へと変える。高等クラスの装備化スキル。他のカード、あるいはマスターを祝福することで、自身の戦闘力を加算させることができ、また自身の持つ装備化スキル以外の先天スキル一つと、すべての後天スキルを共有する。装備化対象の臆病・弱気等の精神的なマイナススキルを一部無効化した上で戦意を向上させ、戦士スキルを付与する。

(戦士:戦士に必要な技能を収めている。武術、剣術、槍術、弓術、騎乗スキルを内包する)

 ・眷属強化


【後天技能】

 ・大悪魔のプライド:高位の悪魔としての誇りと傲慢さを持つ。相手を認めぬ限り、その使役には対価を必要とする。追加で対価を支払うことでステータスやスキルの出力向上。

 ・乙女心:肉体の性別に関係なく女性としての心を持つ。このスキルを持つカードは、属性的に女性として扱われ、無性・両性等の特性や変身系スキルを持つ種族の場合、肉体が女性体に固定される。マスターへの好感度でステータス増減。

 ・良妻賢母:料理、清掃、育児、性技を内包する。

 ・農家:農家に必要な技能を収めている。耕作、栽培、畜産、集団行動を内包。

 ・中等魔法使い

 ・高等補助魔法




【種族】セイレーン(プリマ)

【戦闘力】820(初期戦闘力700+成長分120)

【先天技能】

 ・四面楚歌:歌に魔法を乗せることで、魔法スキルの威力と効果範囲を向上させる。その歌声は、眷属たるハーピーを呼び寄せる。ハーピーを無限召喚可能。魔歌、演奏、合唱スキルを内包する。

(魔歌:歌に魔法スキルを乗せ、その効果範囲を拡大する)

(合唱:他者と自身の音楽スキルの効果を重複させ、その範囲を拡大する)

 ・妖姿媚態:自身の姿や声を聴いた者を魅了する。対象が男性であった場合、初撃に限って耐性をある程度無視する。戦闘行動が出来なくなる代わりに、人間の姿となる人間形態を持つ。

 ・中等状態異常魔法


【後天技能】

 ・歌姫:歌手に必要な技能を必要以上に極めている。明らかに歌手に必要のない技能も極めている。歌手スキルの効果極大向上。合奏相手の行動にプラス補正。

歌手、合唱→先天スキルに統合、美声、絶対音感、低級収納、集団行動、教導、性技、礼儀作法、水泳、漁業を内包する。

(歌手:歌手に必要な技能を収めている。歌唱、演奏、舞踏、精密動作を内包)

(美声:自身の声質が向上し、常に声質を維持できる)

(絶対音感:音域を完全に聞き取り、望み通りの音を出すことができる)

 ・上昇志向:強い上昇志向を持つ。成長が望めないマスターの元では、極めて反抗的となり、まず言うことを聞かない。スキルの習得率が向上する。

 ・高等魔法使い

 ・絶対服従

 ・真なる者

 ・限界突破

 ・真眷属召喚

 ・魔力の泉:尽きることない魔力の源。魔力量と魔法の威力を常時大きく向上させ、魔力消費を抑える。魔力回復、魔力強化、魔力消費軽減を内包する。




【種族】ナキンネイト

【戦闘力】130

【先天技能】

 ・魔歌:歌に魔法スキルを乗せ、その効果範囲を拡大する。

 ・色仕掛け:容姿と妖艶な仕草で相手を魅了する。

 ・初等状態異常魔法


【後天技能】

 ・歌姫:歌手、合唱、美声、絶対音感、低級収納、集団行動、教導、性技、礼儀作法、水泳、漁業を内包する。

 ・上昇志向

 ・初等補助魔法

 ・絶対服従





【オマケ】『避難民モブ視点』


 小良ヶ島の北の廃港にて。

 朝の漁を終えた避難民の男たちが、取った魚の天日干し作業を行っていた。

 その中の一人。三十台前半ほどの中肉中背の男、足尾がおもむろに呟く。


「なあ、お前、リーダーのカードについてどう思う?」


 その質問に、二十代前半ほどの若い金髪の男、銅山は、怪訝そうに眉をひそめた。


「どう、とは?」

「だからさぁ……どのカードが推しかって話だよ。ホラ、リーダーのカードってスゲェ美女ばっかだろ?」


 ここで言うリーダーとは、彼らを助け保護している北川歌麿のことである。

 好色そうな顔で言う足尾に、銅山は周囲を軽く見回すと、素っ気なく答えた。


「……そういうのって、不敬じゃないッスか? 俺らの命の恩人に向かって」


 銅山の釣れない態度に、足尾はつまらなそうに鼻を鳴らした。

 足尾からすれば、リーダーを貶める意図はなく、単に一回りは年下の銅山と打ち解けるために、相手が好みそうな話題を振っただけだった。

 そのまま黙々と作業を続けていた二人だったが、ふいに銅山が呟くように言った。


「……俺は、やっぱ蓮華さまッスかね」

「なんだよ、結局答えるのかよ」


 足尾がからかうように言うと、銅山は苦笑した。


「いやぁ。よくよく考えたら、リーダーならこんなことじゃ怒らないかな、と。あの恩知らずどもですら隔離するだけで済ましてますし」

「ああ……」


 それに、足尾が納得したように頷く。

 恩知らずどもとは、リーダーから貸し出されたカードを売ったり、ギャンブルのカタにしたり、あるいはカードを脅し取ったりといった問題を起こし、ウィンチェスターハウスに収容されている者たちのことだった。


「アイツ等も良くやるよなぁ……追い出されるとか考えなかったんかね?」

「常に他人を利用し出し抜くことが賢いと思ってる馬鹿は、どこにでもいますからね。……特にそういう奴らって、人の目利きは利きますから。リーダーなら追いだしたりはしないと高を括っていたんでしょう」


 現に、追い出されはしなかったしな、と頷く足尾。

 リーダーの北川歌麿は、あの迷宮連続殺人犯を捕まえた高校生冒険者チームの一人であり、その際に莫大な額の懸賞金を被害者遺族たちに寄付している。

 その実績と、この状況下においても実質一人で数百人もの被災者を保護している行動から、そんな人間ならば、多少のおいたをしても追放されまではしない、と考えたのだろう。

 だが……、と足尾は心の中だけで呟く。


(……その割には、リーダーって俺らに対する興味は薄いように思えるんだよな)


 確かにリーダーが、善良な人間なのは間違いない。

 でなければ、こんな状況で人助けなどできないだろう。

 しかし、その一方で、どうにもリーダーは、自分が助けた避難民たちに対する執着が薄いように思えた。

 普通は、ここまで労力を掛けた存在に対して、大なり小なりの所有欲が湧く物だ。

 掛けたコストを、何らかの方法で取り戻そうという欲が働くというか。

 それは、物質的な見返りだったり、労働力としての見返りだったり、あるいは性欲のはけ口だったり。

 一見何の見返りがないように見えても、承認欲求を満たすためだったりする。

 しかし、元人事部だった足尾の目から見て、北川歌麿という人間は、そのどれも自分たちに求めてないように思えた。

 こうして漁をさせられたり、畑仕事はさせられてはいるが、それもどちらかというと自分たちが自立できるように、という風に感じる。

 一切の見返りを求めないリーダーの姿勢は、自分のような俗人にとって理解不能で、それ故に突然自分たちの面倒を見るのに『飽きて』ペットを捨てるように捨てられてしまうのでは? という不安があった。

 その不安は、自分だけではなく、避難民全体に漠然と広がっていた思いであり、一部の恩知らずどもが馬鹿な真似をしたのには、リーダーの真意を探りたいという試しが少なからずあったのでは? と足尾は考えてもいた。

 もっとも、今は、こうして安全な島にたどり着いたことで、皆の不安も薄れてはきたが……一部の避難民の中には、不安が転じて熱烈にリーダーを信奉する集団もいた。

 その傾向は、危機的な状況から救い出された者たちほど強く、リーダーが避難民のまとめ役にしているヴィクターなどは、その代表格であり、『狂信者』と言って良いほどであった。

 リーダーは、果たしてそのことに気付いているのか……。

 そこまで考えて、足尾は首を振った。

 どうでもいいか。自分はただ、目の前のことを一生懸命にこなすだけだ。それが、助けられた自分にできる精々の恩返しだろう。

 足尾は、揶揄うような笑みを浮かべると、話を戻す。


「つか、推しが蓮華さまって……お前ロリコンかよ?」


 ヴィクターさんに、ヴィクトリアちゃんに近づけないように言った方が良いか? と冗談めかして言うと、銅山は慌てた様子で首を振った。


「いやいや、勘弁してくださいよ。単純に、アンゴルモア前からファンなんスよ。ホラ、例の霊格再帰のシーンでファンになっちゃって」

「ふーん、本当かぁ? じゃあ、蓮華さまの次に推してるのは?」

「……メアさまとアテナさまッスけど」


 その答えに、足尾も真顔になる。

 コイツ……マジもんじゃん。マジでヴィクターさんに言った方が良いか?

 そんな足尾の様子を見て、銅山は焦ったように矛先を彼へと向けてくる。


「そ、そういう足尾さんは誰が推しなんスか?」

「俺? 俺はもちろんナキンネイトさんよ」


 足尾がニヤケながら胸の前で大きく弧を描くジェスチャーをすると、銅山は納得したように頷いた。


「ああ……デッカいッスもんね」

「ああ……デッッッカいからな」


 ナキンネイトの特大サイズのたわわを思い出しながら、彼らはしみじみと頷いた。


「ナキンネイトの次に推してるのは?」

「うーん、やっぱイライザさまかね?」

「キマリスさんではなく?」

「キマリスさんも良いんだけど、イライザさまの……なんていうか忠実な感じがな? 何でも言うこと聞いてくれそうな感じが、すげぇ琴線に来るんだよ」

「ああ、それはわかるッス。蓮華さまやアテナさまは前に引っ張ってくれる感じッスけど、イライザさまは逆に後ろからどこまでも付き従ってくれる感じというか」

「だろ? ある種、男の理想と言うか。ああいう何でも許してくれそうなタイプに、やっぱ男は弱いわ。おっぱいもデカいし」


 胸のデカさは、キマリスさん、ナキンネイトさん、鈴鹿さまと来ての四番目のイライザさまだが、世間的には十分に巨乳、人によっては爆乳という言う人もいるだろう。

 ……噂によれば、蓮華さまにはナキンネイトさんをも上回る神乳モードがあると聞くが、本当だろうか?


「…………まあ、そのベクトルが向いてるのはリーダーだけッスけどね」

「それを言うなよ……」


 盛り上がっていたところに水を差され、足尾はガクリと項垂れる。


「あーあ、俺もあんなカードを一枚でも持ってたらなぁ。アンゴルモア用に買ったカードはロストしちまったし、リーダーも女の子カードは配ってくれないからなぁ」

「まあ、カード使って売春とかさせる奴もいるくらいだから仕方ないッスね……」


 自分のカードを使って売春をさせる分には、今のところノーペナではあるが、自分が貸し出したカードでそんな真似をされたらたまったもんじゃないだろう。

 だから、女の子カードが一切貸し出されないことについての不満はないが……それはそれとして、カードたちとヤリまくりであろうリーダーのことは普通に羨ましかった。


「しかし、リーダーも良くあんな高ランクのカードばっか持ってますよね。種族や値段のことはよく知らないッスけど、アテナさまとかってめちゃくちゃ高いんスよね?」

「……まあ、な」


 銅山の言葉に、足尾は曖昧な態度で口を濁した。

 リーダーのカードのランクに関しては、カードに詳しい避難民たちの間で最大の謎とされていた。

 吉祥天、アテナ、ケルトの三相女神に、瀬織津姫とアルテミス……。イライザさまの種族は良く分からないが、あのオーラからして間違いなくBランクだろう。

 アテナだけでもとんでもないというのに、これだけのBランクと三相女神がすべて揃っているとなると、これはもう完全に異常だ。

 キマリスは大会の商品としても……他のカードは一体どうやって手に入れたのか。

 プロチームにいたというだけでは、絶対に説明がつかない戦力だ。

 その疑問は、プロであるレイナが合流してから、より高まった。

 聞けば、彼女は自前のBランクで一枚、アンゴルモア前に企業との契約で貸し出された一枚の、計二枚のBランクカードを有していたらしい。

 それが、新人レベルのプロ冒険者の限界であり、アテナやら三相女神やらは、トッププロがチームで所有するものであり、個人で所有するものではないと言う。

 それをなぜ三ツ星であり学生冒険者であるリーダーが持っているのか……。

 避難民全員にDランクカードを配れたことと良い、間違いなくカラクリがある。

 レイナなどは、その秘密を探ろうとしているが、避難民たちは気になっていても口にすることすら憚られていた。

 カードのランクの謎は、確実にリーダーの最大の秘密。

 それを探ろうとして逆鱗に触れることを、皆恐れていた。


「……まあ、リーダーが強い分には良いことじゃないか」

「ッスね」


 能天気に頷く銅山を見て、足尾は少しだけ羨ましく思うのだった。

 



【あとがき】


書籍二巻&コミック三巻、発売中!

すでにご購入してくださった方は、お買い上げありがとうございます!

まだご購入なさってない方は、ぜひともよろしくお願いします!


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