第四章

第1話 独占迷宮

 



「————職員会議の結果、冒険者部の設立が認められることになりました」


 夏休み、十九日目。昼

 俺たち冒険者部は、学校からの連絡で校長室を訪れていた。

 トロフィーやらメダルやらが棚に飾られた室内には、校長先生と教頭のほかに、なぜか日和ちゃんの姿もある。

 一体どういう用なのか。訝しむ俺たちに対し、校長から告げられたのが、先の一言であった。


「そ、それって、本当ッスか!?」


 喜びつつも戸惑う俺たちに、校長は机に両肘をつきつつ重々しく頷く。その複雑そうな表情からは、必ずしもこのことを本心から歓迎しているわけではないことが見て取れた。

 それを見て、俺たちも落ち着きを取り戻す。こりゃどうも厄介な裏事情がありそうだぞ、と。


「とは言っても、条件付きですが、ね」

「条件ッスか?」

「その前に、貴方たちは、我が校に現れた迷宮についてはどの程度知っていますか?」


 首を傾げるアンナへと、校長が逆に質問で返してくる。

 俺たちは顔を見合わせ、揃って首を振った。


「いえ、特に何も……。強いて言うなら、調査の期間が長いので、Cランク迷宮かシークレットダンジョンなのかな、と」

「ほぅ、さすが冒険者。何も聞かされてなくとも、そこまではわかるのですね。そう、お察しの通り、我が校に現れたのは、Cランク迷宮でした」


 へぇ、やっぱりCランク迷宮だったのか……と内心で思いつつアンナと校長の会話を見守る。


「ただ、厄介なことに我が校に現れた迷宮はただのCランク迷宮ではないようでして」

「と、言うと?」

「シークレットダンジョン? ……でしたか? 通常の迷宮よりも旨味のある迷宮があるため、国が管理する迷宮があるのですよね? 我が校に現れた迷宮はそのシークレットダンジョンに近い迷宮らしいのですよ。ただ、やや厄介な性質を持つらしく、採算に合わないとシークレットダンジョン認定はされなかったようでして」

『……!!』


 校長の言葉に、俺たちは眼の色を変えて顔を見合わせた。

 準シークレットダンジョン! ギリギリでシークレットダンジョン認定されなかった、公開迷宮って事か!

 自衛隊が独占を諦めたと言っても、その旨味は通常の迷宮を遙かに凌駕する。もしも冒険者部で独占出来たなら、その利益は計り知れない。

 そんな俺たちの様子を見て、校長と教頭が疲れたように嘆息する。


「眼の色が変わりましたね……やはり冒険者にとってそういう迷宮は価値があるということですか。我々が懸念しているのは、その点なのです」

「……準シークレットダンジョンということが知れ渡れば、多くの冒険者が殺到することになる。学校としては部外者が頻繁に出入りするようになるのは避けたい。……そういうことッスか?」

「その通り。多くの冒険者が出入りするようになれば、中には招かれざる客も混じることもあるでしょう。それを避けるためには専属の冒険者、それもプロチームを雇う必要がありますが、それは経費が掛かりますし、学内の者に任せられるのであれば、それが一番望ましい」


 校長は、主に師匠を見ながらそう言った。

 ……遠野さんが言っていた通りだ。学校という部外者の出入りを嫌う空間であれば、俺たちに管理を頼んでくるのではないかと言っていたが、本当にその通りとなった。


「それで、肝心の条件とは何なんですか?」

「何、たった二つ、ごく当たり前なモノですよ。一つは、ちゃんとその迷宮を管理できるのか、その実力を示して貰いたい。つまり、夏休み中に、我が校に現れた迷宮を踏破すること。それが一つ目の条件です」


 校長の言葉に、俺たちは、なるほど……と頷く。

 引き受けたはいいが、管理できずにアンゴルモアを起こしてしまいました……では話にならない。

 アンゴルモアを引き起こさないためには、数か月に一度の踏破か、毎日のようにある程度のモンスターを始末する必要があると言われている。

 夏休みが終われば授業が再開することを考えれば、残り二十日の休み以内に迷宮を踏破してみせろ、というのはごく当たり前の条件だった。むしろ優しすぎると言っても良い。

 となると、問題はもう一つの条件の方だ。

 散々、渋っていた冒険者部の設立を認めるというくらいなのだ。生半可な条件ではあるまい。


「……もう一つの条件は?」


 真剣な顔でそう言うアンナに、校長たち三人は一様に厳しい顔つきとなり……。


「もう一つの条件は、定期考査で平均点以上をコンスタントに取り続けることです。学生の本分とは、学業なのですからね。わかりましたか? 十七夜月(かのう)さん?」

「……はい。頑張りまっす……」


 室内の全員から白い目を向けられたアンナは、蚊の鳴くような声でそう言って項垂(うなだ)れたのだった。






 ————では、あとは顧問となる立花先生から詳しいことを聞いてください。


 ということで、俺たちは日和ちゃんを連れいつものファミレスへとやってきていた。


「それじゃ、冒険者部の設立を祝って! カンパ〜イ!!」


 そう音頭を取ったのは、異様にハイテンションな日和ちゃんだった。

 ファミレス中に響き渡るほど大声に、周囲の客が何事かと振り返る。


『か、カンパーイ』


 そんな日和ちゃんに戸惑いつつも、俺たちはジュースのコップを打ち合わせる。

 視界の端で、アンナが慌てて防音結界の魔道具を作動させるのが見えた。


「ちょっと〜どうしたの? 皆テンション低いよ〜? ほら、北川君もアゲていこ!」

「いや、はは……日和ちゃんこそ、めちゃくちゃテンション高いね……」


 明らかに酒が入っているとしか思えないテンションの日和ちゃんに、俺は念のため彼女のコップを確認する。

 ただのウーロン茶、だよな? ウーロンハイじゃないよな? ドリンクバーだし……。

 ドン! と疑惑のウーロン茶をテーブルにたたきつけ、日和ちゃんが吠える。


「当たり前でしょ!! これでバレー部の顧問を合法的に断れるんだから! 言っとくけど、冒険者部の話が一度流れてから『立花先生は随分やる気があるようですし、来年は期待してますよ』な〜んて言われて、バレー部の顧問路線がほぼ確定だったんだからね! どんだけ焦っていたことか! ま、これでバレー部の顧問の話は完全に流れたでしょ! 冒険者部なら顧問なんて言っても、私ができることなんて無いしね! お飾り最高〜!」

『ああ……』


 俺たち(特に俺とアンナ)は、日和ちゃんがハイテンションな理由に納得し、頷いた。

 そう言えば、そんな話もあったな……。バレー部の顧問を押し付けられたくなければ、先に冒険者部の顧問になれば良いんだよ! とアンナが脅すような形で顧問を引き受けさせたんだった。


「いや〜これで久しぶりに迷宮に潜れるわ〜」


 あれ? 日和ちゃんって冒険者だったのか。そうか、それでアンナも日和ちゃんを顧問に選んだんだな。

 と、一人納得していると。


「あれっ? 立花先生って冒険者だったんスか?」


 いや、お前も知らなかったんかい……。

 日和ちゃんも驚いてアンナを見やる。


「えぇ? 知ってたから私を誘ってきたんじゃなかったの?」

「いえ……顧問やってない教師がお局様の山本先生と新任の立花先生しかいなかったんで、その、消去法で」

「酷い! まあ、いいけど!」


 気まずそうに頬を掻くアンナに、日和ちゃんは拗ねたように唇を尖らせた。


「日和ちゃんって冒険者だったのか。なんか意外〜。ランクは?」

「大学で冒険者サークル入ってたからね〜。ランクは、一応二ツ星。本当に一応ね。Eランクなんて数えるくらいしか潜ってないし。カードもDランク二枚と後はEランクって感じ。……っていうか、北川君、さっきから何気にため口じゃない? 先生をちゃん付けしない!」


 ちょっと怒ったように睨んでくる日和ちゃんに、俺は軽く失笑すると。


「何をいまさら。うちの学年、基本的にみんな日和ちゃんにため口じゃん」

「うう……生徒に舐められてる」

「まぁまぁ、立花先生。生徒に嫌われてるより良いじゃないですか」


 と項垂(うなだ)れた日和ちゃんを師匠が慰めたところで、話を本題へと戻す。


「さて、それではそろそろ学校の迷宮についてのお話を聞いてもいいッスか?」

「あ、ごめんね、十七夜月(かのう)さん。と言っても私は詳しいことはわからないから、はい、これ。自衛隊の方の資料の写し」


 そう言って日和ちゃんが差し出してきたレジュメの束をみんなで覗き込む。

 角度的に読みにくい人もいるため、代表してアンナが読み上げる。


「え〜、まず階層数からッスね。メインルートが47階層の……30階層からの分岐が10階層? うわ、さっそく複数回廊ッスか」


 最悪、とばかりにアンナが顔を顰める。

 複数回廊。迷宮の中に複数のルートが形成されているタイプの迷宮で、大抵の場合回廊の奥に存在する守護者(ガーディアン)を倒さなければ主への道が開かれない。

 そのため、一つの迷宮を踏破するために実質複数の迷宮を踏破することとなる。

 もちろん踏破報酬はメインルート分のみで、サブルートはタダ働きとなるため、冒険者からは基本的に敬遠されていた。


「まぁ……Cランク迷宮からは複数回廊もそんなに珍しくないし、十階層分でまだ良かったんじゃないかな? それで迷宮のタイプは?」

「え〜、次に迷宮のタイプは……全階層ランダム環境のルート日替わり変則型、ってこれ……」

「うっ、ローグライクダンジョンか……」


 これには、複数回廊と聞いても涼しい顔をしていた師匠も顔を顰めた。

 ローグライクダンジョンは、日替わりで迷宮内部の構造が完全に変わるタイプの迷宮だ。

 マップはもちろん、罠の配置や種類、出現するモンスターの種類まで、何もかも日替わりで変わる。

 当然ギルドもマップを売っても意味がないので、冒険者は毎回自力で攻略していくこととなる。

 唯一、海なら海、山なら山とフィールドの環境だけは変わらないのだが……。


「しかも全階層ランダム環境かよ……」


 肝心のフィールドが全階層ランダム型とあっては、それもあまり意味がなかった。

 ランダム環境型の迷宮では、フィールドの環境が数階層ごとに変化する。

 全階層とつく場合、一階層ごとにフィールドの環境が異なり、真夏の海の次は真冬の雪山だったり、真昼の次は真夜中、豪雨の次は日照りであったりと、冒険者はありとあらゆる環境に適応できる装備と肉体作りを要求される。

 一階層ごとに昼と夜が目まぐるしく変わり、気温や気候も滅茶苦茶なランダム環境型の迷宮は、屈強な軍人であっても音を上げると言われるほどで……肉体的には一般人に過ぎない俺たちでは、様々な魔道具のサポートが必須だった。


「……まぁ、それはいいや。肝心のメインフィールド効果は?」


 魔道具のサポートが必須ということは、逆に言えば魔道具さえあればなんとかなるということでもある。マップに関しても千里眼の魔法があれば問題ない。


 問題は、この迷宮のフィールド効果だ。


 Cランク迷宮からは、階層そのものが様々な効果を持つようになる。

 その効果は『特定の属性に対するバフ・デバフ』『階層のモンスターに属性・後天スキルの付与』などの補助的なモノから、『機械破壊』『転移無効』などこちらの行動を阻害してくるモノまで幅広い。

 Dランク迷宮とCランク迷宮に大きな壁があると言われるのもこのフィールド効果によるところが大きかった。

 かつて俺が師匠と共にCランク迷宮に挑んだ時は、その階層のすべてのモンスターに『不死』特性が付与されており、有効な不死対策が霊格再帰した蓮華の高等攻撃魔法ぐらいしかなかった俺は撤退を余儀なくされていた。

 Cランク迷宮からは、冒険者は単純な戦闘力だけでなく、ありとあらゆる状況に対応できる手札が求められるのだ。

 フィールド効果には、全階層共通のメイン効果と、階層ごとに個別のサブ効果があり、このメイン効果がその迷宮の大まかな難易度を決める。

 自衛隊が「採算が取れない」と言うほどの効果なのだから、生半可な効果ではないだろうが……。


「……………………かい、ッス」

「なんて? 良く聞こえなかった」

「……全階層機械破壊ッス」

「マジかよ……」


 思わず漏れた俺の呟きは、冒険者部全員の代弁でもあった。

 複数回廊だけなら、問題はない。クソ面倒臭いのは事実だが、面倒くさいだけで攻略の難易度自体にはさほど影響しない。

 全階層ランダム環境のローグライクダンジョン。確かに厄介だが、これも単体なら問題はない。ハーメルンの笛を持つ俺たちは、一度帰宅しても翌日途中から攻略を再開できるし、環境の変化も魔道具のサポートがあれば、対応できる。

 全階層機械破壊も、千里眼の魔法を習得し、カードギアがある今ならかつてほどの脅威ではないだろう。


 だが、三つ全部揃ったのは、ダメだ。


 全階層機械破壊ということは、人工魔道具の大半が使えないということになる。エアコンペンダントを始めとした人工魔道具抜きで、全階層ランダム環境の迷宮を攻略するとなると一気に難易度が跳ねあがる。

 人工魔道具が駄目ならば純正魔道具を揃えれば良いと思うかもしれないが、純正魔道具は人工魔道具と比べて圧倒的に高価なため、ありとあらゆる状況に合わせて多種多様な純正魔道具を用意するのは資金的に厳しいものがある。

 一層ごとの攻略難易度が上がるとなると、Cランクモンスターが出現する三十一階層以降の階層が十階層分も増えるというのも一気に負担となってくる。


「く、クソゲー。これはさすがにクソゲーすぎる。……今からでも校長にやっぱムリですって言ってくるべきじゃないか?」


 ハッキリ言って、学生の俺たちの手に負える案件とは思えなかった。

 間違いなく、Cランク迷宮でもトップクラスの難易度。さすが、国が「要らね」と放り出すだけのことはあった。


「そんな! みんななら大丈夫! 頑張ろう!」


 バレー部の顧問がしたくないだけの保身の女がなにか言っているが、当然のように無視する。


「まぁ、そうしたい気持ちもわかるんスけど……そうするには旨味の方が捨てがたいんスよねぇ」

「そう言えば、見返りのことはまだ聞いてなかったな。そんなに美味しいのか?」


 俺がそう問うと、アンナはコクリと頷き。


「はい、かなり……。各階層に一体のカーバンクルと、サブルートの守護者にヴィーヴィルが確定で出現するらしいッス」

『それは……』


 アンナの言葉に、俺たちは絶句し。


「それは、確かに挑むだけの価値があるね……」

「まさかカーバンクルは毎日出現するのか?」

「あ、いや、さすがにそこまでは……。どうも踏破するごとに再出現するようになるタイプみたいッスね」

「なるほど……さすがに毎日出現じゃないか。だったら準などつかずにシークレットダンジョン認定されていただろうしな。それでも一周あたりの利益は約二億。一人五千万、か……」

「慣れてきて、攻略チームとガーネット回収チームを分担できるようになれば、さらなる利益向上も見込めるかも」


 師匠と織部がそう言い合う中、俺は逸る鼓動を抑えられずにいた。

 まさか、こんなに早くカーバンクルガーネットやヴィーヴィルダイヤを手に入れられる機会が訪れるとは……。

 あのレースの終わりのことから考えても、カーバンクルガーネットが『幸運補給』の魔道具であることは間違いないだろう。おそらく、その上位互換であるヴィーヴィルダイヤも似たような効果を持つはずだ。

 レースが終わってから、俺もどうにかしてカーバンクルガーネットやヴィーヴィルダイヤを安定して手に入れられる方法はないかと考えてはみたものの、上手い方法は思いつかなかった。

 普通に店やネットオークションで買う、というのはあり得ない。ただの一般人である俺がカーバンクルガーネットを大量かつ定期的に買い続ければ、確実に悪目立ちするだろうし、国に蓮華の能力のことが感づかれる可能性がある。

 もしも国が蓮華のような特殊なカードを確保していた場合、確実に網を張っているだろうからだ。

 だが、この迷宮を冒険者部で独占できたなら、誰にも怪しまれずに安定してカーバンクルガーネットやヴィーヴィルダイヤを手に入れることができる。

 取り分に関しても、税金対策のために宝石のまま貰いたいと言えば皆にも怪しまれることはないだろう。

 そうなれば、単純に取り分を金で貰うよりもさらに大きな利益……Bランクカードのドロップやパックでの入手を狙うことができる。

 いや、それどころか、皆に蓮華の能力を打ち明けて宝石を全部俺に任せてもらえれば……いやいやいや、さすがにそれは早いか。

 皆を信用していないわけではないが、読心の魔道具などもある以上これに関してはできる限り慎重にすべきだ。

 とにかく、カーバンクルガーネットやヴィーヴィルダイヤを安定して入手できるというメリットは果てしなく大きい。

 確かに難易度の高い迷宮だが、攻略のメソッドさえ確立してしまえば、いずれ安定して攻略できるようになるだろう。

 沸々と、血液が煮えるようなやる気が沸き立ってくる。

 乾いた唇を舐めて潤し、俺は言った。


「俺は、ダメ元でもチャレンジするべきだと思う」

「……だね。少なくともこの夏休み中は準シークレットダンジョンを独占できるってことだし」

「うむ。一度も挑戦せずに諦めるなど、冒険者としてあり得ん」


 俺たちの意見を聞いたアンナが、総括するように言う。


「決まりッスね。予定してた海外遠征は完全に白紙に、夏休み後半はこの迷宮に集中するってことで。……装備に関しては、ウチが部長としてある程度用意しておきますが、皆さんも各自用意をお願いします」

「了解。それじゃさっそく明日……は準備もあるだろうから明後日(あさって)から攻略開始するってことで」


 珍しく気の逸った様子で師匠がそう言うと、アンナがちょっと気まずそうに待ったをかけた。


「あ、いえ……まだ補習が二日残ってるんで、攻略は明明後日(しあさって)からでお願いします。その、ウチも準備があるんで」

『……………………』


 というわけで、この二日間は各自準備を行うということとなった。

 実のところ、これには俺も助かった。

 明後日にはレースの表彰式と賞品交換があるからだ。

 俺も色々と買い揃えないといけないものがあるし、この二日間で準備は万端としておくとしよう。


「ね、ねぇ……この迷宮ってそんなに儲かるの? せ、先生も何か手伝おうか? あれ? 皆聞いてる? ちょっと、無言で置いてかないで〜!」


 なんか言っている日和ちゃんをスルーしつつ、俺たちはさっそく準備に動き出すのだった。



【Tips】準シークレットダンジョン

 様々な事情によりギリギリのところでシークレットダンジョン認定を逃れた迷宮。

 準シークレットダンジョンの多くは、所有者との契約や、あるいは土地ごと購入されていたりしてすでにプロチームに抱え込まれているケースが多く、やはり一般の冒険者は基本的に入れない。

 数少ない誰の手付かずにもなっていない準シークレットダンジョンも、多くの冒険者が殺到することで普通の迷宮並みに旨味が薄まってしまっている。

 それだけに上手く準シークレットダンジョンを独占できた際の利益は莫大であり、トッププロとその他大勢のプロとを分ける鍵となっている。


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