蜿蜿
@ponms
第1話
貴之は授業中、ある女子生徒三人を一人ずつ目で追っていた。貴之は高校二年生の十七歳でこの日は今年度最初の授業であった。然し、今の彼は授業に集中できる精神を持ち合わせていなかった。まだ冬の寒さが残る四月上旬だというのに彼の体は火照っていて汗でシャツに染みを作るほどであった。それは、前日におきたある事件を覗いて了ったからである。
その日は曇天模様の気候であった。進学年になって初めての登校日であったので、廊下の掲示板にはクラス替えの紙が貼られていた。自分のクラスと教室の場所を確認していると一年時分に同じクラスだった翔太がにやにやとした顔で私に近づいてきた。彼は私に話しかけるときはその色白の美形の顔を私の顔から拳一つ分くらいの距離まで近づけてくる。そのため、貴之は彼と話すときは友人の距離を超えたような面持ちでいた。
「今回は同じクラスになれなかったな」
「しょうがないさ」
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