僕無常
うお子
第1話
自分の機嫌をとるのも楽じゃない
がむしゃらに頑張ってきたけど
朝が来て夜が来るんだ
光を知らない闇のように
眩さから眼を逸らしたくなる夜もある
雨上がりの夜空は明るいのに
磨りガラスから漏れる灯りは優しいのに
ピカピカに光った夜道だけが目立つんだ
一旦帰るよ
でもすぐに出かけなきゃいけない
自由であるほどに満たされなくて
都合のいい不自由を求めているわけでもなくて
リミットが無いと不安になるし
不要なものほど必要としてしまう
僕は何も変わっていない
繰り返し繰り返し躓いては忘れ
勉強しないやつだ
ぐるぐるぐるぐる
ひととこを宇宙コマのように廻り
立っていられるのが奇跡で
時折、僅かに横にズレる程度の変化に怯えている
全ての事象に意味はないのだと
自分で自分の頭をぽんぽんと撫でたら
明日はもう少し優しくなろうと誓って
今日もまた眠りにつくんだろう
目が覚めて光を浴びれば
不思議なことに
再びそこに意味はあるのだと思い直し
疲れも忘れて
またクルクルと廻り始める
勉強しないやつなりに
張り切って廻るんだ
太陽と月のバランスにあやかって
今日は上手く回れてるかなって考えてる
照らしたり照らされたりしながら
結局のところ
僕は何も変わっていない
僕無常 うお子 @bow8knot
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