第19話 妄想スタート
エアコンの効いた気持ちいい部屋。
テーブルの前で胡座して、城崎は問題集を解いている。
城崎は教え方がうまい。
うまいっていうか、なんでこいつの話を素直に聞けるんだろうと思っていたら。そうか、
こいつは人を否定しないんだと気づいた。
課題を解きながら、「なるほど、そうくるんだなー」「へぇそんなこと知ってるんだ、すげぇな」とか肯定から入るから素直に聞けるんだな。
「俺な、小学校の先生になるのが夢なんだよ」
問題を解きながらふとそんなことを言った。
「城崎先生、か?お前、小さい子とか好きそうだな。人見知りの雪子も懐いてるし」
「雪子ちゃんめちゃめちゃ可愛いよな。俺にもさ年子の妹が一人いんだけど。
俺さ、小さい子が大好きなんだよ。
小学校ってさ、担任ひとりで全教科を教えるのって凄くね?子供が1年かけて一生忘れないことの第一歩を俺が教えるんだよ。漢字に足し算引き算かけ算、、ロマンだろ」
「城崎らしいな。お前いい先生になるよ」
「柚木に言われるとマジって気になるよ。勉強して教育学部のある大学に入らないと!」
「そうだな、教育なら県内なら〇〇大学か、都内なら△△大学、◇◇大学とかか?」
「だよな。でさ、柚木は?どのへん狙ってる感じ?」
めちゃめちゃ会話が弾みっぱなし!
ほぼほぼ大親友じゃん!
俺たちめちゃくちゃ仲いい!
このまま一緒の塾いって受験勉強して。
同大受けて受かって四年間過ごすんだ。
サークルとかバイトめっちゃ楽しいだろうなぁ♡
教員免許とって卒業したら小学校の先生になって担任もって自信がついたら親に紹介だ!
って、もう柚木のご両親には挨拶したから次は俺の両親に会ってもらって。
両家の顔合わせはその後だよな。
それでもって南の島の海の見える教会で式を挙げてゴールイン!!
えっっっ!それってやっぱり♡♡
はっっっ!
どしてここでハートまみれ♡♡
っ?????はっっっ!!!!!
ギャー!!!!!!でも♡
城崎が百面相をはじめた。
最近この顔芸をよくみるな。
母さんも都さんも雪子もすっかり城崎の大ファンだし、父さんも気に入っているみたいだ。
兄貴だけ渋い顔をしていたけれど早く仲良くなってほしい。
いや、、あまり仲良いのはダメだな。
絶対ダメ。
同じ大学に行けたら楽しいだろうな。
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