時々、止まる時計
橙 suzukake
第1話 時々、止まる時計
「かかかかかかか…」
まただ。
秒針が文字盤の“3”と“4”の間で止まっている。
あるハンドメイドの通信販売で買った壁掛け時計は、こうやって不定期に止まる。
短いときで、5分くらい経つと、また、秒針が動き始め、それによって短針と長針も進み始める。長いときで、ん?長いときはどれくらいなのかは実際のところ、確かめたことはない。2~3時間なのか、2~3日かもしれない。いずれにしても、また動き始め、止まりっぱなしというのはなかった。
念のために、電池を交換してみたが、改善されなかった。
買ってから1カ月もしないでこの不具合なわけなので、おそらく、出品者に連絡して時計を送り返せば、何らかの処置や交換をしてくれるだろうと思うものの、面倒くさくてそのままにしている。
壁時計が掛かっている2階のリビングには、他にも、目覚まし時計があるし、携帯電話でも正しい時刻が分かるから、気に入ったデザインで購入したこの壁掛け時計は、デタラメな時刻を表示する一種のオブジェになってもらっている。
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