第3話

「ハハッ! 風ノ助くん。だから、廊下は走ってはいけないって」


 楠田先生が廊下をゆっくり歩いてくる。

 よく見ると、パリッとしたスーツ姿だけど何だか違和感がある。

 ……? 帯刀?


「さあ、起きてくれ。これからみんなと午前の歴史の授業……じゃなくて、クラスのみんなを助けるためにミーティングを始めるんだ」

「???」

「どうした。頭でも打ったのかい?」

「ええ、今しがた……先生。ここはどこなんですか? それにクラスのみんなって??」

 

 楠田先生は盛大に溜息を吐いた。

 瞬間、廊下へと飛び出している樹木から木の葉が舞った。


「ここは、君が持って来た教科書の世界だよ」




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