そして、僕は死を思う

ぽつねんの竜

第1話 

なぜ、こうなったのか自分でもよく分からない。

唯一分かることは、人生には出会わなければ良かった人というのが必ず存在する。自分で、選択できる年代になれば逃げる事も出来るが、幼少期に前夫の酒癖、暴力が原因で離婚した母に連れられ、小さなアパートに引っ越した。

母一人、兄、姉、僕、弟の4人兄弟にしては、少々手狭な間取りだったが、ここが新しい僕たちの家だ。


子どもだったから、生活環境の変化の心情について詳しく言語化できないが、幼少期が故の記憶が曖昧もあるがそれも含めて別に理由がある。

それは、母が連れてきたのか、勝手に来たのかわからないが、一人の男が、アパートに住み着いた。

誰も頼んでないのに。もし、母が頼んだのなら、順番がある。


こうして、僕の幼少期から20代までの記憶は、一切無い。

あるのは、この男が母に暴力を振るい、暴言を吐き、イライラを家庭内にぶつけるという最低な男だという事。

この経験のせいで、私は大人になってからも、大きい声、低い声が嫌いで、誰かが怒られていても自分の事の様に感じ、常に顔色を窺い、当たり障りのない、対人関係を過ごすようにしている。


これがこの物語、僕の人生の一部。

この物語は、僕の経験を基に、綴るノンフィクションと、ちょっとしたフィクションを加えた半フィクション。

なんて・・・

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