34.後回しにしてたこと

 今日もログイン。


 この前の検証は残念ながら上手く行かなかったらしい。

 あの後ミィさんから連絡がきて、上手くいかなかったことと、面倒なやつを抑えられなかった謝罪してきた。

 アホなことを止められなかったことを責める気は無いので問題なし。ただ、気分的に「すぐにまたやりましょう」という気にはならかったので少し間を開けてもらうことにした。


「おはよう、みんな」

「「「おはよう(わう)(ホー)(めぇ)」」」


 といっても特にやる事があるって言うわけじゃないから、何するかなぁ。

 そうだ、後回しにしてたお店の準備をしよう。

 朝食を終えると各々やりたいことに取り組む。

 最近は素材やお金に困っていないから、精霊たちには狩りをさせず戦力を持たないメンバーの護衛をしてもらう。

 俺にはククが。ユキにはズラク。一番自宅から遠い図書館へ行くシャルとニナには一番戦闘力のあるフェルを。

 クロは実力があるので護衛は無しだが、やはり心配ではあるのでいつかは護衛を付けたい。

 っと話が逸れてしまった。玄関をお店にする予定だが…何が必要なんだろ。

 困った時はカヤさんに聞くか。


 冒険者ギルドへ行き、カヤさんを見つける。が、対応中だな。終わるまで少し待ってようか


「お、もふたじゃねえか。久しぶりだな」


 聞き覚えのある声に振り向くと見覚えのある派手な赤一色の大男が。


「あ、ユーゴさん。あのワールドクエスト以来ですね。こんなところで何を?」

「ん?ああ、ちょいとめーぷるの所へ行っててな。そのついでにここに寄っただけだ」

「あぁ、なるほど」


 めーぷるさんは腕の経つ生産職らしいし、ユーゴさんとも知り合いだったな。


「んで、お前さんはどうしてここに?」

「ちまちまと色々作ってまして、それがだいぶ溜まったのでお店でも始めようかと。それで何揃えれば良いのかわからずカヤさんに聞きに来たんです」

「ほう、お店か!じゃあ料理とかも売ってくんねえか?俺の周りに料理出来る奴がいなくて、まぁ別にそこらで売ってるの買ってもいいんだがお前さんのサンドイッチは美味かったからよ」

「なるほど、料理ですか。いいですね、検討しておきます」

「っし!じゃあ開店したら連絡くれ。あと場所も」

「了解」


 よし、客が来ると分かれば張り切っちゃうな。お、カヤさんが空いたな


「カヤさん、ちょっといいですか?」

「あっもふたさん!奥の部屋へ行きます?」

「いえ。少し聞きたいだけなのでここで大丈夫です」

「わかりました。それでどのようなことでしょう」

「前に言ってたお店を始めようかと思ったんですが、何すればいいのか分からなくて。」

「なるほど…。ちなみに何を売るかは決めてますか?」

「そうですね…。ポーション、小物、料理など色々と売りたいと思ってます」

「ふむ…。それなら商業ギルドに登録した方がいいですね。」

「ギルドの登録ですか。わかりました。あと、何が必要とかって分かりますか?」

「必要なもの…。看板ややり取りをするカウンター、商品を並べる棚くらいでしょうか…?あれ、でも時の旅人なら棚は必要ないのでしょうか」

「確かにインベントリから出せばいいわけですからね…いや、見本のようなものがあった方がいいのかも」

「そうですね。私に考えられることはこのくらいです」

「ありがとうございます。参考になりました」

「いえいえ」


 カヤさんに礼を言い、商業ギルドへ。こちらは冒険者ギルドとは違って人で溢れてることはなかった。


「いらっしゃいませ。どのようなご要件で?」


 ふんわりとした笑顔をした受付さんだが、商業ギルドと聞くとなんか色々裏を考えてしまう。まぁ俺の偏見なんだろうけど。


「お店を始めたくて、登録しにきました」

「なるほど。どんなお店でしょうか」

「ポーション、小物、料理など色々考えてます」

「わかりました。雑貨屋、でしょうか。では当ギルドに登録するにあたって色々と説明させて頂きます」


 簡単にまとめると、

 商業ギルドが認めたお店だよと宣言できる。

 毎月一定の額(といっても俺からしたら高額ではない。だいたいポーション10個分くらい)をギルドに収める必要がある。

 場合によっては遠くの土地の商品を購入することが出来る。


 と言ったところか。1つめのギルドが認めたお店って宣言出来ることに大きな意味があるんだろうな。信頼出来るお店かどうかで客が来る来ないも分かれるだろう。


 登録するときに、冒険者ギルドでもらった身分証に、商業ギルドの入口に掲げてあったシンボルマークが追加された。

 これが証ということか。


 これでよし。あとはカウンターと商品棚、看板か。見本の商品は、設定で譲渡不可にしたものを置けばいいか。でも盗み系のスキルで盗られることもあるみたいだし、警備の人も必要か…。実力があるらしいクロに任せてもいいが、冒険者をやめさせるのはなんかやだな。

 商業ギルドというくらいだから、人材も扱っていないだろうか。


「すみません、人を雇うことってできますか?」

「はい、可能ですよ」

「では、住み込みなし、食事ありという条件で、警備ができる人と、接客できる人で雇える人を見繕って貰えないでしょうか。できれば対面で話もしたいです」

「わかりました。対面となりますと明日になりますがよろしいでしょうか」

「それで大丈夫です。お願いします」




 ーーーーーーーーーー

 お読みいただきありがとうございます。

 少し間が空いてすぐに言えなかったのですが、フォロワー700人、ありがとうございます…!!

 いつも読んでくださる方、ハートで応援してくれる方、コメントくれる方に感謝を。モチベになってます、ありがとうございます。

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