22.ワールドクエスト『動き出す時』Ⅳ
○ユーゴ視点
武器を構えようとした瞬間、前方で白い光の柱が上がる。
あれは…誰だ?見た目はじいさんだな…。そばにいるのは…もふたか!
じゃあこれはイベント戦か?
「瞬閃」
その呟きが聞こえたと思ったら、キーンという高い音のみしか聞こえなくなった。直後、凄まじい衝撃波が起こる。
どしゃあ。
ベリアルの第2形態が上下に切断され、倒れる。
「…は?」
『これにてイベントを終了します。ポイントを集計し、報酬は後日メールにてお送りします。通常フィールドへ転移開始。お疲れ様でした。』
『悪魔が現れ、停滞していた世界が動き始める。襲撃、戦争など各種大規模イベントが発生するようになりました。』
「……は?」
…………………………
○スキールニール視点
あぁ、世界に色が戻っていく。
あの頃から色が無くなった世界に。
こんなにも様々な色があったじゃないか。
先程のもふたくんの言葉を思い返す。
「なんであなたが剣を取らなくなったのかは分かりませんが、今、再び街に危機が訪れてるんです。」
「守れなかった?当然です、1人で全てを守れるはずがないですから」
「いつまで逃げてるんですか。そろそろ現実と向き合うべきです」
彼は私のことを叱ってくれた。英雄と褒められ、称えられてばかりで、叱られることのなかった私を。
あえて厳しいことを言っているようで、叱り方が変だったけれど。
過去にはきちんと私自身を見てくれた親友がいたが、最後の魔物たちの襲撃で亡くしてしまった。
それが理由で剣を捨て、世界から色が無くなった。
確かに大切なものを亡くしてしまったが、まだ大切な街が残っている。
いつまでも座り込んだままだとアイツにも叱られちまう。
「ホーリーよ。今だけでいい、また力を貸してくれ」
「ようやく立ち上がったのだ。今回だけなのだ、今はもう新しいやつがいるのだ」
「ありがとう」
襲撃から守るために、時間をかけず一撃で敵を屠る事のみを極めてきた。
「瞬閃」
なんてことはない、ホーリーの光を纏い、瞬きする間もなく閃光のように走り、その勢いを乗せて敵を斬る。それだけの技だ。
化け物は倒れ、再び浮遊感を感じるー…。
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お読みいただきありがとうございます。
今回かなり短め。
拍子抜けの結末?はい、だって、もふたくんほぼ活躍しないじゃないですか。面白さがなくて早く終わらせたかったです
もともと今回のイベントはもふたくんに街の英雄を再び立ち上がらせ、ボスを倒させる、っていう展開が書きたかったです。ゲームのイベントとしてはクソゲーかもしれない笑
考えてる内容はあるんだけどそれを伝えるのは難しいですね…。
そしてイベントを書いた理由は2つ。ひとつは「こういう発生するイベントありますよ〜」っていうの。もうひとつは…。
さて。最後の呟きが長くなっちゃったんですが、これだけ言わせてください。
SFのランキングが7位になってました。
え?マジで?ありがとうございます。
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