金矢琉

目が覚めるといつも通りの景色だった。

消えたはずの下半身も元通りだった。

足元にカナヤルンが群がっていた。

僕はそれを足で蹴散らした。

カナヤルンは砂になって消えた。

目を凝らすと遠くの方に紙切れが落ちていた

ので僕は拾って広げてみた。

中には潰れたイモムシが。

体液を撒き散らしながらそこに居た。

この前捨てたイモムシだった。

それに気づいた僕はイモムシを掴むと

土に埋めて木の棒で小さなお墓を立てた。

家に帰ると階段の真ん中辺りに

ナメクジが這っていた。

踏まないように気をつけながら

僕は家の中に入った。

水筒の水は綺麗に澄んでいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る