第7話

何人が僕と同じような気持ちでいたかはわからない。街の人、彼を知る人、彼の隣に居た人。毎日彼が現れた、賑やかだったはずの教室が嘘のように大きな存在をなくしても、また変わりない喧騒が現れるのに時間はかからなかっただろう。


まるで彼自身が、いるときは皆の関心を集め、晴れたら忘れ去られる雨だったようだった。彼が消えた街は何も変わることなく、僕の日常もなんら変わらなかった。高校を卒業して、大学はこの小さい町から遠くを選んだ。


忙しい日々の中で、僕の中でのあの雨の日もいつしか梅雨明けの水溜りのように消えていってしまった。



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