第5話
何度か目があった時、彼は必ず少しびっくりしたように大きな瞳を見開いて、そして笑んだ。
訳もわからず涙を流した、あの日を思い出して居た堪れなくなり、僕は目を伏せる。その繰り返し。
言葉はもうかわせない、そう信じ込んでしまう程に僕の世界は小さかった。
彼は完璧で眩しい、光の住人だ。疑った自分は恥じてしまえ、二度と影を見出してはならないと。
彼はそれから1年ほど経った時、急に消えてしまった。
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