第4話
学年も違う、住む地域も違う。決して近い関係ではないのに、彼の肢体はよく目に飛び込んできた。学校で僕はよく彼の後ろ姿を見た。背丈は目立たないほど、背中も多くの生徒に紛れる程に薄い。
しかし彼はどこか浮き上がって見えた。
繊細な所作は、どれだけ離れていても視線を奪って離さない。きっと僕だけが例外ではない、彼の周囲にはいつも誰かがいて、肩にはいつも誰かの腕が掛かっていた。
しかし彼の指は細かった。何人もの視線を絡め取って、まるでその重みに耐えきれず萎びてゆくように段々と力が抜けていった。
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