第10話 地球が滅びる5日前〜地球最後の告白を〜

「あぁ〜、急に暇になったなー。」

「そうだなー、昨日までに観光、ホテル探訪…全部しちまったからなー。」


“ピンポン”


「ん?誰かラインが鳴ったよー?」

「う〜ん?僕のか?」


〈“星海って、今日暇?暇なら遊ぼーよ。”〉


「あー、僕のだったわ。中月からだ。」

「あら?中月さん達もいたのね…」

「うん、一緒のホテルらしいよ?」

「へ〜、そうなのね。」

「ちなみに、どんなないようだったの?」

「あー、今日暇なら遊ばないかって。」

「なら、暇だし遊んできなさいよ。」

「うん。“暇だから遊べるよ”っと」


“ピンポン”


〈“じゃー、1時にホテルのロビーに来てくれる?”〉


「“いいよ”っと」


       〜2時間後〜


「あ、星海ー。」

「お、来たか中月。」

「んで、何するんだ?」

「えっと〜、ちょっと…話さない?」

「う、うん…いいけど?」


「地球が滅ぶまで、もう5日だね〜。」

「そうだなー、地球が滅ばないといいね〜」

「うん、そうしたら……」

「ん?なに?」

「いや、なんでもないよ。」

「ねぇ、星海?地球が滅ぶ前にしたいことって、なんかある?」

「そうだなー、数え切れなほどあるわ〜。」

「そう…私もね、たくさんあるんだ…。」

「今日はね?その中の1つをしたいと思って星海に来てもらったんだ。」

「偶然だなー、僕も今じゃないとできないことがあるんだよ。」

「じゃないせーの、で言う?」

「そうする?」

「じゃあ…せーの!」

「私、星海の事が好き。」

「僕、中月の事が好きだ。」


 まさかの、中月の言いたかったことと、僕の言いたかったことが同じだった…


「中月、僕と付き合ってほしい。」

「っ…、うん!いいよ!」

「え?マジ!やったー!」

「まぁ、でもあと5日ぐらいしか付き合えないかも知れないけどね?」

「いいや、こうなったら意地でも地球は滅ぼせない!」

「そうだね!」


「ただいまー」

「あら、おかえりー。」

『おかえり〜』

「ねぇ、みんな聞いて〜。僕、中月と付き合うことになったんだよ〜。」

「へ〜、そうなの?それは良かったじゃない〜。……」

「え?」


『えぇーー!!』


「ちょちょちょ、フツーに流しかけた…」

「星海本当?中月さんと付き合うの?」

「うん!本当だよ?」

「あ〜、私、まだ彼氏いないのに……弟に先越されたぁ〜…」

「お姉ちゃん!気を確かに、お姉ちゃんにもいい彼氏ができるよ!」

「うぅ…ありがどう…快斗…」

「それはめでたいな!地球が滅ぶまで後数日しかないけど、大事にしてやれよ!」

「えへへ〜、ありがとう。大事するよ〜。」

「まぁ、何がともあれ、」


『星海!おめでとー!』


「みんな!ありがとー!」


「それにしても青春だな〜!星海。」

「そうだねー。」


 地球が滅びるまで残り5日。僕はにも関わる大事な人と結ばれた。これから地球がどうなるかわからないが、この縁を、絶対に切りたくない。むしろ切らせない!この隕石が落下する前にできることは全てやりたい。

 

「明日からが楽しみだ!!」

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