悪魔と天使が梯子酒 1


テレビ出演から一週間ほどたった夜俺のはとったーにDMが来てるのに気づいた


「え~と?って!ナニコレ!?」


これってDMだよな!?そう見間違えるほどの長文が送られてきていた


「送り主誰だよ!?って天月ソフィア…時雨さんか」


なぜかシリーズ小説の一章並みの文章量のメッセージが届いていた


「しかもこれめっちゃ誤字ってるじゃん…え~?何、読むのめんどくさ!」


最初は会社の付き合いの社長相手に送るかのような前置きが500文字ほど続く


「めんどくさいから最後だけ読むか…」


メッセージをスクロールして最後の言葉を見て俺はため息をついた


「コラボの誘いはいいとしてまたあの人金無いのかよ…」


もう駿太には器の広いと評判の俺でもここまで来たら呆れてしまう


最初はデビュー当時競馬で思いっきり負けてお金がなく俺に泣きついてきたので仕方なく吉牛を奢ってやったのだがその後も立て続けにお金を使い果たすのでマネージャーさんも呆れていた


丁度読み終わったときスマホの電話がなる


「はい…もしもし?」


『龍介君!お願い!もう奢ってって言わないから私とコラボして~』


ガチのトーンで電話越しに泣きつく時雨さん


「今回は何でお金ないんですか?しっかりと使うお金計算して計画的にって言いましたよね?」


『したもん!してなんか知らないけどお金が足りなくなっちゃったんだもん!』


そ、そんな逆ギレされても…


「取り敢えずそこら辺のカフェかどっかで話しましょ?ついでにその計算したメモってまだあります?あったら持ってきてください」


『わかった!じゃぁこの前行ったサイ○行きたい!』


「わかりました、じゃぁ先いってるんで店に入ったらNINEで教えてください」


ツーと俺が言い終わる前に電話が切れる音が聞こえる

ほんとサイ○好きだなあの人


そう思いながら俺は着替えて家を出発し待ち合わせ場所へと向かうのだった


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「きみと~ぼくと~ちがうひとで~だからすばらしぃ~♪」


待ってる時間暇だったので同じ名前のボカロPの歌を歌いながら間違い探しをする

いっつも思うけどこの間違え探し結構難しい


「あ!龍介君!やっほー!」


後ろから声を掛けられて思いっきり振り返る


「俺の同期は後ろから声かけるのが流行ってるのかよ…あと他の人も居るから声あんま出すなよ」


「ごめんごめん!私ドリアね!」


「金無いんじゃなかったのかよ…」


「マネちゃんにお小遣い貰った!へへ!いいでしょ」


時雨さんのマネージャーさん苦労してるな…今度労ってやるか


「今日は俺が奢るからいいけどマネージャーさんに感謝しとけよ?あと食べる前にメモ持ってきた?」


「えっと~ちょっと待って…あった!」


鞄のなか探してたら急にジャンバーのポッケに手を突っ込んでグシャグシャになった紙を取り出す


「ポッケに入れてきたのかよ…えーと?予定されてる金額は別に問題ないな…じゃぁ何で?…って最初の足し算間違ってんじゃん!」


よく見ると一番重要な収入の計算がおもいっきり間違っていた


「これしっかりと計算しました?」


「し、したよぉ~配信のあとでぇ…」


ダメだこれ

この人配信でお酒飲む時あるからそれで酔っぱらった状態で計算したな


「はぁ~次からはしっかりと計算してくださいよ…」


「ごめんなさい…あ、そういえば何で龍介君って私たちに敬語なの?私たちの方が年下だしいっつも不思議だったんだよね」


確かに、全然無意識だったけど敬語だったな


「多分昔大学の先輩としか女性と話してなかったからだと思う、直せるよう善処する」


「そうそう!もっと気楽にいこうぜマイブラザー!」


「俺達兄弟でも何でも無いだろ…」


「よし!じゃぁ食べよう!すいませーん!」


「声で呼ばなくてもボタンあるだろ…」


目の前でミラノのドリアを頬張る時雨さん、普通にしてたらただの美人さんなんだけどな…


「で、コラボって一体何するの?」


時雨さんがドリアを食べ終わった後率直な疑問を聞く


「ノンブレスオブ…」


「却下、どうせあれだろ?息継ぎ無しで交互に歌うんだろ?」


「な、なぜそれを!」


「意外そうな顔したって、ただの歌ってみたなら協力するけどさ、あと普通のだったらメッセージにやりたいって書くはずだし」


「書いたよ?途中でどんなことやりたいのかリストアップしてたじゃん?」


し、知らねぇ~あの長文読む気にならないだろ


「他には?」


「候補としては晩酌配信しながらゲームとか?あとましゅまろとか?」


晩酌配信かぁ~俺お酒飲めたっけな?暫く飲んでないから分からないな


「面白そうだから晩酌配信でいいよ、時雨さんいっつもやってるでしょ?」


「よし!そうと決まれば早速私の家へGO~」


「え"?今日やるの?」


なんかろくに準備しないまま半ば強引につれてかれるのだった

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