異世界交換生活 ~王子を副業としたら~

巨豆腐心

Episode:0

 オレは全裸で、ベッドの前に立つ。ベッドの上には全裸で横たわる少女がいて、力が抜け、死んだように見える。こうした運命に絶望し、抵抗を諦めた心、無気力さが見てとれた。

 燈明の僅かな光で浮かび上がる、その白い肌には手首、足首に枷の痕もみえるけれど、目立った外傷がないのは幸いだ。まだ女性らしい膨らみはなく、大事な部分をかくすはずの簾すら皆無である。

 長いブロンドの髪を枕に、右は瀝青、左は若草色のオッドアイには、今にもこぼれ落ちそうな涙が、大量に溜まっているのも見えた。

 それは、こうした運命になった自分の不幸を呪うものか、少なくともこれを喜んでいないことは確かだった。


「お早くお願いします」

 部屋は二人きりではない。ベッドの脇にはまだ若いけれど、事務的で、感情のこもらない声で二人に行為を促す、秘書のような女性がいた。

 これも彼女のためだ……。

 自分をそう納得させた。ベッドの上に乗ると、少女の足元に跪く。彼女も抵抗するのは虚しく、心は諦めているけれど、体の方はまだ拒絶するよう、股をぎゅっと閉じようとする。

 無理やり足を開かせるのは諦め、その盛り上がりには欠けるものの、先端には存在を主張するかのように、ピンク色のそれを尖らす部分に手をおく。揉むことはまだ難しいので、ゆっくりと円をえがくように、優しくマッサージをするように手を動かしていく。

 両手をつかってゆっくりと動かすと、やがて手の平にはその存在をより確かに感じさせてくる突起があった。オレは右手を放し、そこに唇を寄せる。先端に舌を這わせていくと、少女の口からは「う……」と、小さなつぶやきが漏れる。

 余らせた右手は、少女のお腹を伝って、そのなだらかな丘を下っていく。

 胸に意識がいったことで、開いていた峡谷は、慌ててその立ち入りを禁じてくる。でも立ち往生したオレの右手は、その入り口にあたっており、微かに動く指先でそこに振動を伝えることができた。

 未体験の刺激に苛まれ、少女は嫌でも体をくねらせ、そこから逃げようとするけれど、オレは体をのしかからせ、その動きを束縛する。

 椅子に座った女性が、じっとこちらを見ているのだ。手を、舌をゆるめるわけにはいかなかった。


「前戯はもうよろしいでしょう」

 命令口調で、女性はそう告げた。それは、オレのそれがもう準備万端、興奮を示すのだから、いつまでも少女を焦らす必要はない。

 胸から唇を離すと、彼女の微かに開いた唇に、オレの唇を重ねる。少女はすぐにぎゅっと固く口を閉ざすけれど、それを包むように唇で覆い、唇の割れ目にそっと舌を這わす。

「ん~……」

 気持ち悪さから、少女はそう呻くけれど、そこから逃れようと足が開く。そのタイミングでオレは体をすべりこませた。

 足が閉じられなくなり、少女はそれでも手で塞ごうとするけれど、左手で相手の右手首をつかみ、右手で相手の左胸を、先ほどとはちがって少し荒々しく、ほとんどない肉をつかんで揉みしだく。

 少女の左手が緩んだタイミングで、オレは彼女の未踏部分へと、ゆっくりと歩みをすすめた。

「……嫌、…………ダメ」

 そう呟いた少女の口を、左手でふさぐ。椅子に座って凝視する女性に、それを聞かれたらまずい……。

「んんんんッ!」少女は口をふさがれ、痛みと気持ち悪さから、そんなうめき声を漏らす。でもオレの冒険はクレバスの中に入り、温もりとわずかな湿り気の中で、目的地まで到達したことを感じる。

 少女は絶望したように目を閉じる。その端から一筋の涙がこぼれ落ちていった。


 オレも初めてのことで、それだけで脳天が痺れるような絶頂を迎えた。でも、未成熟なこの体は何かをだすことはないし、また萎えることもない。彼女の中でしっかりと収まり、むしろさらに元気な様子だった。

 そこで動かず、しばらく少女を見下ろす。相手もまだ未成熟、この歳ではまだ初めての潮も迎えていないだろう。でも、この異世界ではこれも仕方ないことだ。特にあんなことをした後なのだから……。

 少女はこちらを見上げるも、強い怒りと、逆に怯えた弱弱しさと、二つが入り混じったもののようにも感じる。

「いくよ」

 オレは小さくそう声をかけ、腰を動かしはじめる。かなりきつく締め付けてくるので、動きに合わせて少女の体まで動いてしまう。でもそれが、一体感を醸していて、擦られるのとはまた違った感動がある。

 少女ももう完全に抵抗する力を失い、暴れることもせずに、目を閉じたままそれを受け入れている。

 オレはふたたびイッた。でも、それに気づいた椅子にすわる女性は、無表情のまま「だせましたか?」と尋ねてきた。

「いえ、まだ……」

「なら、続けてください」

 これは命令……。オレがこの異世界で、王子としてみとめられるために……。そしてこの少女を救うために、オレはふたたび腰を動かしはじめた。








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