黄昏

夕方の公園

落ちようとする太陽

いつもは素通りする場所だけれど

なんとなく

私のために空いているようなベンチに

腰を下ろしてみる


全てが朱色に染まる

焼く尽くしてしまうような赤色ではなく

包み込むような優しい色

誰もが同じなんだと言い聞かされている

そんな温かい光は

時間の経過と空の経過が

重ならない気にさせる


私の背中の方から

赤色と青色が混ざるように紫色に染まる

全てを飲み込むような

包み隠してしまうような

やがてそんな黒色に染まる


凍えそうな月が

夜に映える姿が

錯覚なのか

夜の月が

とても近くに感じる

けどきっと当たり前の風景


それでも当たり前の夕方の風景が

見せてくれる変化が

あのベンチに誘ってくれたのは事実で

風景が私自身に

重なった瞬間だったのかもしれない

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